2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ燃料合成を目的とした金属・ナノカーボン複合触媒の低コスト合成法の開発
Project/Area Number |
12F02074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POONJARERNSILP Chantamanee 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | バイオ燃料 / カーボンナノホーン / アーク放電 / 触媒 |
Research Abstract |
本研究はカーボンナノホーンの用途拡大を考え、そのバイオディーゼル合成触媒としての応用に関して検討している。 ガス導入水中アーク放電法によってカーボンナノホーンを合成した。このカーボンナノホーンの表面に硫酸によって処理し、スルホ基で表面を修飾した。この官能基の修飾により、カーボンナノホーンはバイオディーゼルの合成触媒としての活性を示すようになった。また、カーボンナノホーンの表面にスルホ基で修飾するために行った硫酸処理によってカーボンナノホーンの比表面積が倍増することがわかった。同様の処理を活性炭やカーボンブラックに行っても比表面積が顕著に増大することはなかった。硫酸処理の前に空気賦活を行う実験も行った。結果として、カーボンナノホーンは極めて大きい酸点密度を示し、パルミチン酸からバイオディーゼルの一種であるパルミチン酸メチルを合成する実験をおこなった。その結果、カーボンナノホーンがその高い酸点密度によりバイオ ディーゼル合成の触媒活性がもっとも高いことが示された。 また、ガス導入水中アーク放電法による合成の際にFeワイヤーを挿入したグラファイト棒を陽極として放電を行い、Feナノ粒子が分散したカーボンナノホーンを合成することに成功した。このFe分散カーボンナノホーンは磁石に引き付けられるので液体に分散させても磁場で回収・移動することが容易であり、様々な応用に有用である。現在、その磁気特性やバイオディーゼル合成触媒としての活性を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の具体的な予定通りに進んでいるわけではないが、重要な新しい発見があり、合成した触媒の性能も良いので期待していた以上の成果が上がっていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はFe分散カーボンナノホーンのバイオディーゼル合成触媒としての応用に関して重点的に調査する。触媒活性、磁性、Feの耐酸化性等について調べる。
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