2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田之倉 優 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FEIFEI Wei 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 核磁気共鳴 / コーヒー / 非破壊分析 / 多変量解析 / メタボロミクス / 味予測 |
Research Abstract |
核磁気共鳴法(NMR)は簡単な前処理、穏やかな環境下で測定が可能であり、成分の変質、損失を最小限に抑える事ができる ; 糖類、脂質、有機酸、アミノ酸等、化学的性質の異なる幅広い成分を1回の実験で測定可能であり、スペクトルには多くの情報が同時に含まれていることから、混合物の「指紋」とも呼ばれ、食品科学においてもNMR は様々な代謝物分析に応用されている。そこで、我々は世界で最も多くの国で飲用されている嗜好飲料であるコーヒーに注目し、NMRを用いてコーヒー豆抽出物の非破壊測定を行い、詳細なシグナル帰属を行った上で、品種・産地の異なる生豆および焙煎度の異なる焙煎豆の抽出物をプロファイリングし、NMRを用いてコーヒー豆抽出物の化学的特徴をつけることができた。通常市販されているコーヒー豆はコーヒー生豆ではなく、焙煎したコーヒー豆のケースが多い。現在日本のコーヒー企業では、官能試験によってコーヒー豆の産地と風味などを評価しているが、そういう方法は評価者の主観に大きく左右されるため、より客観的、科学的な評価方法が求められている。ここでは、さらに我々はNMRに基づくメタボロミクスと人間の官能試験との組み合わせにより、コーヒー豆の品種・焙煎程度による味の変化を明らかにし、人間の舌の代わりにNMRを用いた味の予測法を開発した。コーヒー豆の品種と焙煎程度は抽出されたコーヒーの味に大きく影響している。本研究では、品種・焙煎程度の異なるコーヒー豆を使用し、NMRを用いて組成を解明することと同時に人間での官能試験を行った。さらに、NMRデータをX変量とし、官能試験の結果をY変量にした予測分析(OPLS)モデルを構築し、コーヒー豆抽出物の組成と味のデスクリプターの間の相関を探索した。最後に、NMRに基づくメタボロミクスで市販コーヒー豆の味の特徴を予測し、NMRはコーヒー豆抽出物の味の予測に有効であることを証明した。これらNMR情報に基づくコーヒー豆抽出物の味の予測法では、官能試験を行わなくても、食品の品質評価を簡単にかつ精度よく予測することが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(4 results)