2012 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン受容体(AhR)の破骨細胞における分子作用のメカニズム解明
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12F02106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 祐記 東京大学, 分子細胞生物学研究科, 特任教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAI-YONG Yu 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | AhR / 破骨細胞 |
Research Abstract |
脂溶性生理活性物質は、生体内において様々な器官や組織を標的とし、幅広い恒常性の維持に重要な役割を担っている。脂溶性生理活性物質の骨代謝への作用メカニズムの1つは、リガンドとして結合する核内受容体を介する事が広く知られている。一方で、脂溶性生理活性物質の中には核内受容体以外の転写因子型受容体であるダイオキシン受容体(AhR)を介し、作用を発揮するものも知られている。しかしながら、骨代謝制御機構におけるAhRの生体内高次機能は、その大部分が不明である。そこで、本研究では骨代謝制御におけるAhRの生理機能を明らかにすることを目的とした。全身性及び組織特異的なAhRKOマウスを作出し、軟X線撮影、DXA法及び骨形態計測などにより骨解析を行った。その結果、全身性AhRKOマウスでは骨密度の増加を認めた。KO雄マウスでは破骨細胞数と破骨細胞面の減少、KO雌マウスでは骨形成と骨吸収パターン両方の減少が示された。これらの結果から、AhRは骨代謝機構に必須の因子である可能性が考えられた。さらに骨芽細胞特異的AhRKOマウスでは骨表現型に異常を認められなかった。一方、破骨細胞特異的AhRKOマウスでは、大腿骨及び脛骨の骨密度の上昇、海綿骨骨量の増加、破骨細胞数と破骨細胞面の減少が認めされた。さらに、この表現型は、性腺摘出による骨量減少誘導モデルにおいても認められた。これらの結果から、骨代謝制御機構におけるAhRの作用は、性ホルモン非依存的に破骨細胞が担う骨吸収を正に制御することによる骨量調節への寄与であることを解明することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って、着実に推進している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り実施する。同時に、文献を読むことを強化する。コミュニケーションを強化する。
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Research Products
(2 results)