2012 Fiscal Year Annual Research Report
固体媒質におけるコヒーレンス及び干渉効果に基づいた量子情報
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12F02204
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
NORI Franco 独立行政法人理化学研究所, デジタル・マテリアル研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU Xinyou 独立行政法人理化学研究所, デジタル・マテリアル研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 超電導量子回路 / 窒素欠陥中心アンサンブル / ハイブリッド量子回路 / 量子ストレージ / 2量子ビット量子ゲート |
Research Abstract |
2012会計年度では、超電導量子回路のコヒーレンスと干渉の特性、および量子情報科学での応用を主に研究した。主要結果は以下の通りである: (1)2個の結合した超電導量子ビットから成るシステムでの2量子ビットゲートの理論的実現を研究した。特に、結合強度が量子ビットの非調和性と同程度ないしそれ以上であるという条件下での2量子ビットゲートの演算を解析した。システムの発展を数値的にシミュレーションすることにより、量子ビットと量子ビットとの直接1間接結合の場合における、2量子ビットゲートの忠実度のシステムパラメータへの依存性を得た。 (2)2つの結合したフラックス量子ビットあるいはNVE(窒素欠陥中心アンサンブル)などのハイブリッド量子構造を用いた高忠実度量子ストレージを実現する方法を提案した。演算ユニットと記憶ユニットを分離することにより、量子メモリに対する量子計算過程の影響を効果的に排除することができる。これにより、演算量子ビットの任意の量子状態の量子ストレージが高忠実度をもって達成し得る。さらに我々の提案は、システム・パラメータのゆらぎに対しても安定しており、現在利用可能な技術を用いて実験的に実現可能である。 (3)データバスとして使用される超電導フラックス量子ビットを通じて、スピンアンサンブルと伝送線共振器との間の強い結合を実現するために、実験的に実現可能なハイブリッド量子回路を提案した。その結果得られた結合を用いて、スピンアンサンブルと共振器との間で量子情報を転送することが可能である。この提案したハイブリッド量子回路は、スピンアンサンブル内に情報を保存する場合に量子メモリを長時間にわたり作動可能となるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、2012会計年度中は超電導量子回路のコヒーレンスと干渉の特性を研究し、またこれらの超電導量子回路に基づいて、高速量子ゲートおよび量子ストレージを実現するための新たな提案を作成した。
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Strategy for Future Research Activity |
来期中は、大規模ハイブリッド量子回路の量子コヒーレンス性に焦点を当て、新しい量子シミュレーションを提案し実行する。この研究は前会計年度の研究計画に沿うものである。
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Research Products
(2 results)