2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02212
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
寺内 良平 (公財)岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 研究部長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RYM FekihLaribi (公財)岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 突然変異体 / 全ゲノム解析 / イネ / 次世代シーケンス / QTL / 直播適性 / 低温発芽性 / 形態変異 |
Research Abstract |
報告者らの研究グループは、東北地方の水稲栽培の省力化を目標とした研究を実施している。そこで、東北日本で重要なイネ品種「ひとめぼれ」を材料として、既に2種類の集団、(1)大規模EMS突然変異集団、および(2)大規模組換え近交系(Recombinant Inbred Lines : RILs)を作成している: Rym FEKIH EP LARIBI博士は、これらを利用して、直播適性に係る遺伝子群の同定を目標とした。研究分担者のRym博士は、無酸素状態での胚軸伸長を調査する実験系を確立し、(1)の集団を利用して無酸素状態への反応の変化した変異系統2系統の選抜に成功した。そこで、申請者らの開発した遺伝子同定法MutMap法(Abeら,Nature Biotech. 2012)により、原因遺伝子同定を試みている。現在までにバルクDNAの調整を終了し、解析の準備ができた。解析をより効果的にする目的で、MutMap法の改良を行い、MutMap+法の開発に成功した(Fekih et al. PLoS One投稿済)。さらに、形態変異を示す突然変異体2系統を用いて、「ひとめぼれ」野生型に交配し、MutMap法により原因遺伝子同定に成功した。現在、これらの遺伝子の機能解明を進めている。上記(2)の材料については、低温発芽性に優れる系統「Arroz a Terra」と「ひとめぼれ」の交配後代のRILsを材料にして、QTL-seq法により、低温発芽に正に寄与するQTL領域同定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
無酸素状態への反応の変化した突然変異体の解析に、予想より時間がかかっている。今後スピードを上げる必要がある。一方、MutMapの改良法であるMutMap+法の開発により、今後の解析が進むことが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)無酸素状態への反応の変化した変異系統2系統の原因遺伝子をMutMap法によりできるだけ早く同定する。 (2)形態に関する突然変異体の遺伝子機能解明を進める。
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