2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02327
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 雅己 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEAN-BAPTISTE AdrienDelfau 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アクティブマター / Janus粒子 / 集団運動 |
Research Abstract |
本研究テーマは、自己駆動粒子系を物理的に良く制御された条件で作成、制御し、1個から複数個、さらには大規模集団運動へと研究を進めるための実験とその解析を目指すものである。我々はこれまでの研究で、ミクロンサイズのコロイド粒子の片面に金を蒸着し、容器の上下面の透明電極をとおして電界を印加することで、誘導電荷電気浸透流(ICEO)の効果により界面近傍の流体に非対称な流れが生じ、粒子が向きを持って運動する現象、さらには電界の周波数を変えることにより、粒子間の相互作用を斥力と引力の間で制御できることを見出している。これらの粒子は、小さいためブラウン運動と競合しながら自己駆動する系であり、相互作用と粒子密度を変えて実験することで、極めて豊かな現象が観測されることが期待される。この種の実験系と理論解析に経験を持つDelfau氏が加わり、この研究テーマが大きく進展することが期待される。 初年度は12月から研究を開始したため、研究環境やコンピュータ環境を整え、実験に必要な光学系装置などのセットアップを行った。具体的には、一様で高品質の自己駆動粒子を作成することを目指して、実験とそのキャラクタリゼーションを行った。その結果、ほぼ良好なlanus粒子を形成するための条件が明確になった。また、粒子数密度を上げた時の集団運動を探索する実験を開始した。現在のところ、球形粒子の場合は反発力が働き、集団運動は起こりにくいことが明らかとなった。そのため、非球形粒子でJanus粒子を形成する方法の検討に入った。また、周波数の変化によるICEO逆転のメカニズムの探求は引き続き行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
12月にDelfau氏が着任し、4ヶ月間であったが、ほぼ実験の立ち上げを完了し、具体的な課題に関する実験に入ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
粒子数密度を上げた時の集団運動を探索する実験を開始しが、現在のところ、球形粒子の場合は反発力が働き、集団運動は起こりにくいことが明らかとなった。そのため、非球形粒子でJanus粒子を形成する方法の検討に入った。 また、周波数の変化によるICEO逆転のメカニズムの探求は引き続き行い、理論的な解明を必要がある。
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