2013 Fiscal Year Annual Research Report
グラフェン階層化ハイブリッド材料によるエネルギー変換・貯蔵デバイス
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12F02347
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊原 博隆 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NANJUANDAN Ashok 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 酸化グラフェン / 機能性グラフェン / グラファイト / グラフェンナノシート / 金属ナノ粒子 / アミノ酸ポリマー |
Research Abstract |
グラフェンは薄層で高強度かつ透明であり、分子中の電子が高速に運動するなどの特徴をもつことから、次世代の機能性デバイス材料として注目されており、研究が盛んに行われている。本研究は、グラフェンの化学修飾、および金属ナノ粒子や有機ナノ繊維の組み込みによる複合化を通じて、様々な機能化グラフェンを作製する方法を確立し、機能性デバイス材料への応用・展開を目指すものである。今年度は具体的に以下の検討を実施した。 酸化化学反応を用い、様々な形態のグラファイト、たとえばナノグラファイト(400㎚)や人工黒鉛粉末(20㎜以下)を剥離し、層間距離の大きい(0.34㎚から0.8㎚)酸化グラフェンを開発することによって、酸化グラフェンの複合化を容易にした。 また、合成した酸化グラフェンを金属還元法またはヒドラジン還元法により還元し、高い表面積を維持した状態で伝導性を向上させることに成功した。これらのグラフェンと酸化グラフェンにポリアクリロイルβ-アラニンで形成される有機ナノ繊維を複合化し、電気化学的性質の調査と三極法によるスーパーコンデンサとしての可能性の調査について模索するなどの研究を行った。その中でも、グラファイトロッドを電極とし、パルスプラズマを用い剥離したグラフェンシートは非常に高品質なグラフェンナノシートであり、その作製法の確立に成功するという大きな成果を挙げた。 以上のように、本年度はグラファイトを剥離し、高品質のグラフェンの作成方法を確立し、その機能デバイス材料の応用・展開の可能性を広げることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、グラフェンハイブリッド材料のスーパーコンデンサとしての性能を評価し、以上に加え、パルスプラズマを用いて、高品質のグラフェンシートの簡易作製法の確立を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に作製したグラフェンハイブリッド材料のスーパーコンデンサとしての性能を三極法により評価したが、電界質中の電極損失が問題に挙がった。問題を解決するため以下の方法を試みる。 1. バインダーの量を変えて評価を行う。 2. 電極として、グラッシーカーボン電極を使用する。 3. 鉄粉末で還元したグラフェンの電気化学的評価を行う。 またパルスプラズマを用いて作成したグラフェンナノシートを高温度でアニールをすることによって窒素をドープし、様々な分析装置を駆使して基礎特性の評価を行う。 4. 現在、特許申請を準備しており、出願後に早期に学術論文として報告したい。
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Research Products
(2 results)