2014 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズの耐湿性強化に寄与する二次通気組織の形成機構の解明
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12F02394
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中園 幹生 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (70282697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QI Xiaohua 名古屋大学, 生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ダイズ / 二次通気組織 / 耐湿性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイズの耐湿性付与に重要な役割を果たす二次通気組織形成機構を解明することが本研究の目的である。これまでに、二次通気組織形成には葉で合成された糖が湛水条件下で胚軸に輸送されることが重要であることを明らかにした。葉で合成された糖は篩管を通り、胚軸へと供給される。したがって、二次通気組織が形成される条件の胚軸の篩部で遺伝子発現が大きく変動することが予測された。そこで、湛水条件下の胚軸で糖がどのように二次通気組織形成を誘導しているかを明らかにするために、胚軸のパラフィン包埋切片から篩部のみをLaser Microdissection(LM)法で単離し、RNAを抽出し、遺伝子発現解析を行った。その結果、二次通気組織形成時に篩部で発現する遺伝子を複数同定した。特にCLE遺伝子は、分裂組織の維持や分化の制御に関わることが多数報告されており、これまでの解析から二次通気組織の由来となる二次分裂組織では、CLEペプチドにより制御される細胞分裂関連遺伝子やWOX遺伝子が発現していたことからも、二次通気組織形成においても調節因子遺伝子として機能している可能性が期待される。ダイズにおけるCLE遺伝子は30遺伝子以上存在することから、現在ダイズゲノム中の全てのCLE遺伝子の篩部における発現を調べるために特異的なプライマーを作製中であり、いくつかのCLE遺伝子についてはLM法で単離した組織由来のRNAを用いて、既に定量RT-PCRを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
詳細な発現解析を行うまでには至っていないものの、レーザーマイクロダイセクション法を用いて、二次次通気組織形成時に篩部で発現する遺伝子を複数選抜しており、総合的にはおおむね順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、二次通気組織形成時に篩部で発現する遺伝子について組織特異性などの詳細な発現解析を行うことで、二次通気組織形成との関連性を調査する。特に、調節因子遺伝子の候補として期待されるCLE遺伝子に特異的なプライマーを作製し、組織別の定量RT-PCRを実施する。また、CLEペプチドは人工合成が可能であることから、候補CLEペプチドを人工合成し、二次通気組織形成への効果を検証する。これらの解析を通して、二次通気組織形成の制御機構の解明を進める。
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