2014 Fiscal Year Annual Research Report
イソプレイドを基本骨格とするキサントフィルとスクアレンの代謝と生理活性
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12F02401
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 和夫 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (10182015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAVI KUMAR Sangeetha 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スクアレン / アスタキサンチン / 抗酸化 / 抗炎症 / DHA / 抗糖尿病 / 脂質代謝改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
スクアレンとフコキサンチンやアスタキサンチンなどのキサントフィルとの相乗的な生理作用を明らかにするために、まず、培養細胞系を用いた検討を行った。その結果、スクアレンとアスタキサンチンの組み合わせで、単独の場合よりも非常に強いマクロファージに対する増殖抑制効果が見られた。なお、フコキサンチンにはこうした効果は見出されなかった。また、スクアレンとアスタキサンチンの組み合わせにより、細胞の酸化ストレスが効果的に抑制できることが明らかになった。以上の結果より、スクアレンやアスタキサンチンは、従来から報告されているように、抗炎症作用や抗酸化作用などの生理作用を示すことが確認できた。 スクアレンとアスタキサンチンを肥満・糖尿病マウス(KK-Ay)に投与したところ、スクアレンを投与することで、血糖値と肝臓中と内臓脂肪組織中でのコレステロールの有意な減少が見られた。スクアレン投与は肝臓中のトリアシルグリセロール含量の有意な減少も引き起こした。以上より、スクアレンは、脂質代謝や糖代謝が異常となったマウスに対し、病態の改善効果を示すことが明らかになった。ただし、アスタキサンチンにはこのような効果は見られなかった。また、アスタキサンチンをスクアレンと組み合わせて投与しても、スクアレンの血糖値改善効果や脂質代謝改善効果に影響はなかった。一方、アスタキサンチンやスクアレンの投与は肝臓中の過酸化レベルの有意な減少や、カタラーゼ(CAT)やグルタチオンペルオキシダーゼ (GPX)といった抗酸化酵素の有意な増大を誘導した。特に、GPXは、両者の組み合わせでその効果が相乗的に増大した。 さらに、スクアレン投与により、肝臓中のDHA含量がコントロールと比較して3倍以上に増大することも明らかになった。これは、スクアレンによるα-リノレン酸(18:3n-3)からDHA(22:6n-3)への生体内代謝の促進作用に起因すると考えられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)