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2012 Fiscal Year Annual Research Report

抗酸化酵素を標的としたマングローブの耐塩性機構解明

Research Project

Project/Area Number 12F02403
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

屋 宏典  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) M.D. Hossain  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 外国人特別研究員
Keywordsマングローブ / 抗酸化酵素 / 過酸化脂質 / 酸化ストレス / 耐塩性
Research Abstract

抗酸化酵素は植物の塩分等の環境ストレス耐性において重要な役割を演じている。マングローブは汽水域に生育できる耐塩性の木本類である。本研究はマングローブの耐塩機構における抗酸化酵素群の機能解明を目的とする。まず沖縄に生育する9種のマングローブ(オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、メヒルギ、ヒルギモドギ、ヒルギダマシ、ミズガンピ、ハマザクロ、サキシマスオウノキ、シマシラキ)の葉及び根における抗酸化酵素群(SOD、POD、CAT、APX、GR、MDHAR、DHAR、GST)の活性及び脂質過酸化指標であるMDAの濃度分布を調べた。殆どの抗酸化酵素活性を各マングローブの根及び葉において検出したが、樹種によって分布は異なっていた。CATとGPXは根よりも葉の活性が高いが、他の抗酸化酵素は根の活性が強かった。また、最も強い活性を示す主要な抗酸化酵素はマングローブの種類によって異なっていた。すなわち、メヒルギ、ヤエヤマヒルギにおいてはPODの活性が最も高く、オヒルギ、シマシラキ、ヤエヤマヒルギにおいてはAPX、CAT、MDHRの活性が比較的高かった。一方、植物体の脂質過酸化指標であるMDA濃度は葉よりも根で高く、根はより強い塩ストレスの影響を受けていること示すものと解釈された。これらの結果から、塩負荷にともなう酸化ストレスに対抗して植物を保護する抗酸化酵素の種類及び活性はマングローブ樹種によって異なることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

塩ストレス適応における抗酸化酵素の役割を解明するに先立って、植物体内での抗酸化酵素群の分布を明らかにする必要がある。申請者は当初の計画に沿って沖縄産のマングローブ全種の葉及び根における抗酸化酵素群の活性及び脂質過酸化指標であるMDA濃度を明らかにしており、研究目的の達成度は"概ね順調に進展している"と判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後は塩ストレス負荷後の抗酸化酵素群の経時的或いは経日的な活性変化を追跡し、塩耐性機構全体における抗酸化酵素群の役割を明らかにする予定である。次年度は以下の研究を計画している。
1代表的な抗酸化酵素群(SOD,CAT,APX,GST,GR等)について、塩分負荷後の活性変化を追跡し、塩ストレス応答的な変動を示す酵素の絞り込みを行う。
2上記の結果に基づき、マングローブ植物から塩ストレス応答性の抗酸化酵素遺伝子のクローニングを行い、塩基配列を基にしたタンパク質構造を明らかにする。

URL: 

Published: 2014-07-16  

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