2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02404
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木暮 一啓 東京大学, 大気海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 相和 東京大学, 大気海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | プロテオロドプシイン / 培養方法 / 海洋細菌 |
Research Abstract |
本研究は海洋のどのような微生物がプロテオロドプシン(PR)遺伝子を持っているのかを分離、培養およびその遺伝子解析を通して明らかにすること、次いで、プロテオロドプシン遺伝子の塩基配列を明らかにし、その遺伝子構造の特徴、遺伝子伝達経路などを明らかにしていくことを通じて、PR遺伝子の進化の全体像を描き出すことである。 PRを保持する分離株は世界でもまだ少ないし、それらの分類的位置づけや生理性状も十分に明らかにされていない。そこで24年度研究は茨城県大洗で採取された海水試料からの分離を試みるとともに、本研究室で保持されていた株の中で、PR遺伝子を持ちまだ分類学、その整理がついていないと考えられる2株に対して研究を進めた。この2株については、韓国インハ大学Cho教授と共同研究を行い、いわゆるpolyphasic taxonomy、すなわち生理、生化学、化学分類などの手法を総合した解析を通じて分類学上の位置を決めた。これら2株の16SrDNA塩基配列は相互に99.7%が一致したが、Cytophagia綱の近縁種とは92.6%あるいはそれ以下の相同性であった。その他の生理性状の知見を総合し、これらの株はCytophagia綱、Rhodothemaceae科に属する新属新種であることが分かり、新種としてRubrivirga marinaを提案した。また残り1株(Polaribacter属)については現在NBRC(製品評価技術基盤機構、バイオテクノロジーセンター、生物資源課)に一部の解析を依頼しながら、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分類的な研究は順調に進んでいる。ただし、PR機能(光駆動)を利用して選別培養方法と装置の考案が難しく、検討を重ねている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず茨城県、大洗の海水試料から分離された微生物について、PR遺伝子の有無と16s rDNAの塩基配列に基づく系統解析を行う。同時に、研究船航海に参加してさらに海水sampleを収集して微生物の分離に努める。新たな培養法として、光を当てた集積培養法を検討する。
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Research Products
(1 results)