2013 Fiscal Year Annual Research Report
サハラ以南アフリカ諸国における食料安全保障および栄養摂取と所得の関係決定要因
Project/Area Number |
12F02406
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南石 晃明 九州大学, 大学院農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OGUNDARI Kolawole 九州大学, 大学院農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 食料安全保障 / カロリー摂取量 / タンパク質摂取 / 所得 |
Research Abstract |
本研究では、西アフリカ諸国を対象として、栄養摂取状況などの食料安全保障の水準の決定要因を定量的に解明することを目的としている。具体的には、長期間の国別マクロデータを用いて、食料安全保障指標の決定要因、所得向上と栄養摂取の因果関係、食料安全保障および栄養摂取の変動パターン等について解明する。こうした分析は、西アフリカ諸国の経済協定を検討するに際して重要な知見を与えるものである。 本年度は、これらの目的を達成するために、まず、国別マクロデータを用いて食料安全保障指標の決定要因の計量経済学的解明のためのデータセット作成およびモデル推定、さらにこれらを用いた解析を行った。具体的には、国際機関等提供のデータの購入、関連学会参加および関係者との意見交換等により分析に用いるデータ収集・整理を体系的に行った。また、計量経済学的データ解析に用いる統計解析ソフトウエア等の試験適用および本格適用を行い、さらに構築したデータセットを用いて計量経済学的解析を行った。その結果、食料安全保障指標としてカロリーやタンパク質の摂取量を用いた場合について、一人当たり所得等の経済変数との因果関係をCo-Integration Analysisによって明らかにした。また、トウモロコシの価格反応をARDL and Co-integration Analysesを用いて明らかにした。さらにアフリカ農業における効率性分析のメタ解析を行い、効率性の規定要因の考察を行った。これらの研究成果を関連する国際集会および学会において発表すると共に、統計的分析によって得られた計算結果について既往研究から得られた知見も加えた総合的な考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所得向上と栄養摂取の因果関係等について1編の論文が採択・公表されると共に、この他に関連論文を学会誌に投稿した。また、農業生産効率と食料安全保障に係る2件の成果を国際学会等で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年に学会等で発表した農業生産効率と食料安全保障の関連に係る今までの学会等での発表成果を論文として取りまとめると共に、所得向上と栄養摂取の因果関係の焦点をあてつつ、研究期間全体の成果を、食料安全保障指標の決定要因および食料安全保障および栄養摂取の変動パターンにも着目して取りまとめる。
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Research Products
(3 results)