2012 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外分光法を用いた乳牛における発情及び妊娠の診断方法の開発
Project/Area Number |
12F02409
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
TSENKOVA Roumiana 神戸大学, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAZAR Gyorgy 神戸大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 近赤外分光法 / 発情 / 妊娠 / 繁殖管理 / 非破壊診断 |
Research Abstract |
BAZAR博士は、受入研究室である神戸大学農学研究科生体計測工学研究室が保有するホルスタイン牛の生乳に関する近赤外スペクトルデータベースを用いて、乳牛の疾病の有無及び生理的状態変化の分析を行った。また、設置型分光器NIRS 6500 (Foss NIR Systems社)、XDS (Foss NIR Systems社)及びポータブル型分光器FQA-NIR GUN (Fantec社)を用いて実験を行い、それぞれの分光器の操作方法を身に付けた。加えて、性ホルモン検出を行うため、iMarkマイクロプレートリーダー(Bio-Rad Laboratories社)の調整を行った。さらに、研究代表者が提唱するアクアフォトミクス(近赤外分光法を用いて水の吸収スペクトルから生体情報を解析する手法[1-3])に関する解析トレーニングを行った。その成果として、生物計測工学研究室が保有するデータベースを用い、異なるチャイニーズ卵巣細胞の生体システムの違いを近赤外領域における水分子吸収スペクトルから説明することで、同手法を用いた細胞の識別を行った。 また、兵庫県立農林水産技術総合センター・淡路農業技術センターへ訪問し、研究について打ち合わせを行った。当初ホルスタイン牛の尿および生乳を対象としていたが、畜産部主任研究員の生田博士・山口博士との議論により、性ホルモンの含有量が高くサンプル採取が効率的な搾乳器により得られる合乳を研究対象とすることに決定した。採取スケジュールは分娩より21日後を発情予定とし、人工授精を行う日に加えて前後3旧間を含む合計7日間の合乳を採取・冷蔵保存して生体計測工学研究室に運搬することを決定した。淡路農業技術センターに飼養される40頭の経産牛の内、発情期の2~3頭から採取した合乳サンプルを常時生体計測工学研究室に運搬し、設置型近赤外分光器による生乳スペクトルの測定、およびマイクロプレートリーダーによる性ホルモンの検出を行うことに決定した。 [1]Tsenkova, R. : Journal of Near Infrared Spectroscopy 17(6) : 303-314, 2009. [2]Kinoshita, K., et a1. : Scientific Reports 2 : 856, 1-9, DOI : 10.1038/srepOO856, 2012. [3}Gowen, A. A., et al. : Analytica Chimica Acta 759 : 8-20, 2013
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私BAZAR博士は、外国人特別研究員に任命され来日してから、研究計画通りに以下の業務を遂行し、おおむね順調に進展している達成度と認められる。 ・生体計測工学研究室が保有する生乳近赤外スペクトルデータベースを用い、発情・妊娠診断のための解析を行った。 ・生体計測工学研究室で用いられる設置型分光器およびポータブル型分光器の測定手順・操作方法を身に付けた。 ・淡路農業技術センターに訪問し、主任研究員との議論により、詳細な研究実施計画を決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は初年度の成果に基づき、生乳における近赤外スペクトルから性ホルモン濃度のデータベースの構築を通して、生乳のサンプル採取からデータ測定、解析、発情・妊娠診断モデル構築までのアルゴリズムを開発する。 継続してデータを採取・測定し、データベースを拡張することで診断モデルの評価を行い、生乳スペクトルを用いた発情・妊娠診断に有効な解析モデルを開発して国内学会または投稿論文によって発表する。 平成26年度には、測定対象をホルスタイン牛の血液とし、血液中に含まれる性ホルモン濃度から、25年度と同様に発情・妊娠診断アルゴリズムを開発する。サンプル採取には独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所で飼養される経産牛を用い、血液に加えて体表から測定する大静脈スペクトルを用いて診断モデルを構築する。得られた成果を国内学会、国際学会、または投稿論文で発表する。そして、生乳・血液・血管から最適な解析対象を選定し、適切な発情および妊娠の診断手法を提案する。
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Research Products
(2 results)