2013 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモンによるカリウムチャネル発現調節機構の解明
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12F02419
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今泉 祐治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AZIZIEH Regis 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 薬理 / イオンチャネル / Ca2+活性化K+チャネル / 男性ホルモン / 翻訳後修飾 / ユビキチンプロテアソーム / 精管平滑筋 / 扁桃体 |
Research Abstract |
本研究の目的は中枢神経の扁桃体などのような組織性差の知られている臟器や男性生殖器系組織でのアンドロゲン受容体刺激による情報伝達系が、カリウムチャネル機能発現を制御している可能性及びその制御機構と疾患との関連を明らかにすることである。 当該年度では、BKチャネルの翻訳後修飾に対する男性ホルモンの役割について取り組んだ。前立腺のアンドロゲン受容体発現に対して、ユビキチンプロテアソーム系の活性化を介した負帰還機構として働く因子に、PMEPA1 (Prostate Transmembrane Protein, Androgen Induced 1)が知られている。ラット輸精管においてこのPMEPA1が発現するか、また性ホルモン(テストステロン)によってその発現量が影響を受けるか否かについて検討した。その結果、去勢群において、PMEPA1 mRNAレベルが有意に上昇していた。この現象はテストステロンの投与によって消失した。この結果は、去勢によるテストステロンレベルの減少がPMEPA1の発現tの上昇とユビキチンプロテアソーム系の活性化を介して、BKチャネル発現量を減少させている可能性がある。また、ヒト前立腺平滑筋細胞株からN末端に44アミノ酸が挿入されたBKチャネルαサブユニットをクローニングした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テストステロンレベルの減少がどのような過程を経て、ユビキチンプロテアソーム系の活性化を介したBKチャネル発現の減少に結び付くのか明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は組織あるいは単離細胞に対して、siRNAを用いた関連シグナルタンパクの特異ノックダウンを行い、テストステロンレベルの減少がどのようにして、PMEPA1の発現量の上昇とユビキチンプロテアソーム系の活性化に結び付くのか明らかにする必要がある。同時にこれ以外の経路が関与するか検討する。今回クローニングしたバリアント体に関して、既に子宮平滑筋における発現が報告されているが、その特性についてはほとんど明らかにされていない。そこで、パッチクランプ法や蛍光ラベルによる一分子イメージングによって、アミノ酸の挿入による機能変化やβサブユニットとの関係の変化を明らかにする。
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Research Products
(3 results)