2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管・リンパ管新生による免疫環境修飾の分子機序の解析
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12F02424
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
橋口 照人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHRESTHA Binita 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 外国人研究員
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Keywords | 病態検査学 / 免疫 / B細胞 / VEGF-A / 血管内皮細胞増殖因子 / リンパ節 / hemophagocytosis / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
2006年のAngeli V. らの報告(Immunity 24 : 203, 2006)により感染による所属リンパ節のB細胞の発現する血管内皮細胞増殖因子-A(以下、VEGF-A)は樹状細胞を所属リンパ節にリクルートする役割を果たしていることが明らかとなった。我々は平成24年度までの研究において我々の既報告(ShresthaB. et al. J Immunoll 84 : 4819, 2010)の発展的観察として、VEGF-AをB細胞に特異的に発現させたマウス(以下B-VEGFtgマウス)は非感染下において以下の表現型を示すことを明らかにした。①B-VEGFtgマウスのリンパ節においてHEV(高内皮小静脈)が増えていること。②LPS刺激によるサイトカイン産生が抑制されていること. ③ovalbumin投与によるovalbumin特異的IgG1の産生も抑制されていること。これらの知見に加え平成25年度の研究成果によりB-VEGFtgマウスに以下の観察を追加確認することができた。④B-VEGF tgマウスは鉄欠乏性貧血に矛盾しないこと。⑤リンパ節にヘモジデリンの沈着を認め、hemphagocytosisの所見に矛盾しないこと。⑥高齢マウスにおいては血性腹水が観察され、活動性の高いhemphagocytosisが観察されること。また、preliminary dataではあるが、B-VEGFtgマウスにおいてCD8陽性リンパ球の減少とPD-1陽性リンパ球の増加を確認した。また世界的には2013年に細菌のDNAであるCpG投与による炎症モデルマウスにおいてMonocyte-Derived Dendritic Cellsによるhemophagocytosisが過剰炎症の制御に関与しているとする報告がOhyagiH.らによってなされた(Immunity39 (3) : 584, 2013)。今年度における我々の観察はCpGを投与するといった炎症モデルマウスではなく、B細胞からのVEGF-Aの分泌亢進よる形質転換により、hemophagocytosis、CD8陽性リンパ球の減少、PD-1陽性リンパ球の増加という免疫系のfine-tuningsystemを再現することに成功したのであり、世界レベルの研究内容に達したと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該施設にて作出した遺伝子改変マウスの観察において新しい発見があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は25年度までの研究成果をまとめつつ、研究成果を統計学的に処理するとともに、各々のデータが客観的評価に耐えられるか否かを検討した上で、必要な追加実験を施行していく予定である。
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Research Products
(3 results)