2012 Fiscal Year Annual Research Report
溶接変形・残留応力の理論および実験に基づく予測に関する研究
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12F02735
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YUAN Hua 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 溶接組立変形 / 大型構造 / 隅肉溶接 / 突合せ溶接 / 固有変形 / 残留応力 / 計測 / 理論予測 |
Research Abstract |
アーク溶接に代表される溶融接合技術は生産性に優れるため、船、自動車、車両、橋梁などの製品や構造物の製造に広く用いられている。しかしながら、熱が金属部材の局部に集中的に投与されるために冷却過程における収縮が原因となり溶接変形や残留応力が必然の結果として発生する。溶接変形は製品の強度などの性能低下の原因となるばかりではなく、組立段階での変形が大きい場合にはロボットなどの自動化の妨げや手直し工事増加の原因となるので、溶接変形を予測し許容値以下に制御する必要がある。一方、船は居住区や機関室などの構造部位により鋼材の板厚が異なり、板厚に従って1層溶接と多層溶接の使分けが行われる。また、船の建造工程に注目すると船は鋼材の切断、線状加熱による曲げ加工、位置決め(仮付け)、溶接、歪取、ブロック搭載などの加工工程を経て完成に至る。したがって、製品の形状・寸法精度を理論的に予測するためには、これら全ての工程を視野に入れた予測が必要となる。そこで本研究では、多層溶接および全建造工程を視野に入れた溶接変形・残留応力の理論予測法を開発すると共に、理論予測に基づく溶接変形・残留応力低減対策を提案する。 平成24年度は、船の居住区など薄板で構成され主として1層溶接により建造される構造物を対象として、以下の項目について研究を実施した。 (1)固有ひずみ/固有変形法を用いた変形・残留応力予測法を薄板構造に適用し座屈変形も含めて変形予測が可能な手法を開発した。 (2)突合せ溶接および隅肉溶接モデルを作成し、溶接変形・残留応力の測定および熱弾塑性FEMによる計算を行った。 (3)(2)の計測および計算結果から突合せ継手および隅肉継手の固有変形を同定した。 (4)(3)で同定された固有変形および(1)の予測法を用いて、大型薄板ブロックや居住区構造の溶接変形・残留応力を予測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
船の居住区などの薄板構造を対象として、溶接継手の固有変形同定、およびこれを用いた溶接組立変形の予測が計画通り実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では実験計測に基づく固有変形および残留応力の予測が計画されているが、これを補完する意味で熱弾塑性FEMによる予測を積極的に活用する。
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Research Products
(2 results)