2013 Fiscal Year Annual Research Report
冗長性を持つ高安全・高性能ロボットシステムの制御系設計
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12F02748
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古関 隆章 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (20211899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VALERIO Salvucci 東京大学, 大学院工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ロボット / 運動制御 / ロボットアーム / 生体機構 / 二関節筋 / 冗長性 / 可変剛性 / モータ |
Research Abstract |
平成25年度は平成24年度から持ち越したロボットアームの設計・製作を行った。2つの一関節筋相当の駆動機構および1つの二関節筋相当の駆動機構を、3つのモータとワイヤによる結合で実現するハードウェアを製作した。そして、研究者の提案する可変剛性を実現するアクチュエータを用いた形で、二関節筋を用いたロボットアームの駆動実験を行った。 具体的には、二関節筋相当のアクチュエータの等価的な剛性を変化させることで、ロボットアームの挙動にどのような影響があるかを、解析し、その計算結果を実験的に検証した。さらにこれまで提案されてきたロボットアームの駆動冗長性の解消方法として、2ノルムに基づく方法、∞ノルムに基づく方法、CGIと呼ばれる方法の3つの長短を理論的に比較をした。そして、各々の長所の良い所取りをするような連続的なモード・スイッチ法を提案し、数学的解析によりその有用性を証明した。 そして、上記の連続的なモード・スイッチ法の実装を上記のロボットアームに行い、製作したロボットアームに適用した。まずは準静的なゆっくりとした駆動で、基本的な狙いが満たされることを確認した。さらに、より高速な駆動を指向し、アームやモータの動的な挙動を計測、記録解析した。その際の電力の流れも解析した。これらの作業を通じて、研究者の提案する冗長性解消のための3つのモードを連続的に切り替える方法の実現可能性と実際的な有用性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の設計の遅延を、本年度前半に回復し、原理実証のためのロボットアーム試験装置を設計、組み立てして、駆動制御方法の種々の検証実験を、着実に進めることができている。また、その過程で冗長性の解消法として、複数の既提案の方法を連続的にわたるという新たなアイデアを数学的解析に基づいて提案し、その有用性、実現性を検証するという当初の予定になかった成果も得られている。それらの成果は7件の、国際会議論文として公開されている。以上の事実から、研究目的を達成すべく、現段階で概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初目標を意識いつつ、意識しつつ、ロボット・アーム試験装置の改良を行いながら、提案する二関節筋相当の駆動機構を持つロボットアームの制御系の冗長性解消法を含む設計法の検討と、その利点の実験的検証を、残り数ヶ月の期間に進めていく。
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Research Products
(9 results)