2012 Fiscal Year Annual Research Report
深海フロンティア-近年の環境変動は日本の深海底生生物群集を変えるか
Project/Area Number |
12F02765
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
豊福 高志 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAMO Briony 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 外国人特別研究員
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Keywords | 深海生物学 / 古環境変動 / 海洋酸性化 / 室内精密飼育実験 |
Research Abstract |
近年,地球温暖化や海洋酸性化によって深海生物群集が影響を被っている可能性が指摘されているが実際にどのような影響が現れるについて、深海の底生生物を対象に環境を精密に制御した飼育実験を実施し,群集構造解析,生活様式観察および代謝速度など、深海生物生態系とその活動に与える影響評価を目的として実験を行なっている. 本年度は,pHを変えて堆積物を培養する実験系を立ち上げた.また予察的に浅海から得られた堆積物を用いて,水温,塩分,DOを一定にし,pH条件を変化させた実験系を走らせた.pHは常時モニタリングされており,CO2をバブリングすることで一定の値を再現した.また週に一回,アルカリ度について一点法をダウンスケールした方法で分析し,環境情報を常に取得できるようにした.2週間のインキュベーションを経て,堆積物を微古生物学的に処理し,堆積物に含まれる有孔虫類の拾い出しを行った. 実験環境は概ね一定であったが,実験期間を通じてpHは低下傾向,アルカリ度は上昇傾向を示した.堆積物に含まれる,有機物が参加されることによってpCO2が上昇し,それにともなって炭酸塩などが溶解したことでpHの変動を干渉するとともに,アルカリ度が上昇したものと考えられる.期間中,香港大学地球科学教室の安原盛明准教授と深海底生生物群集と環境変動に関するワークショップ形式のディスカッションを行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予察的な室内精密飼育実験を予定通り実施し,環境情報などの取得がうまく言ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに確立した実験系を用いて,深海で採取した底生生物を含む堆積物のインキュベーションを実施し,pH変動の影響を評価する.pH,アルカリ度については従来通りモニタリングを実施する.
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