2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02769
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
神谷 秀博 東京農工大学, 大学院工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TONG Zhenbo 東京農工大学, 大学院工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | DEM-CFD法 / 粒子間相互作用 / 高温付着性 / バイオマス燃焼灰 / 粉体層力学 / 液架橋力 / 粉体層への液浸透 / 微粒子挙動 |
Research Abstract |
前年度実施したTong研究員が開発、研究を進めてきた離散要素法と流体解析法を組み合わせた手法(DEM-CFD coupling)による吸入製剤用薬剤造粒物の壁面への衝突、破壊、分散挙動の解析手法を、実際の人体の呼吸器構造を模擬した場での現象解析法に拡張し、呼吸器各部位への吸入製剤の気管、気管支への付着現象の再現に成功した。また、本研究室で蓄積してきた薬剤造粒物強度や粒子/吸入器の壁面間相互作用の実測値を導入した計算を実施した。さらに、企業との共同研究であるバイオマス燃焼プラントで発生している高温場でのバイオマス燃焼灰付着トラブルに関する解析法への適用を目的として計算機内で構築した灰付着トラブル試験装置の構造を再現し、粒子・流体計算プログラムを開発した。このプログラムに本研究室で開発した二分割セル式高温粉体層強度測定装置で測定した実際の灰粒子付着力の室温から1,000℃の範囲の温度依存性の測定結果を導入することで、炉内での灰付着試験結果の再現に完全に成功した。また、更に二分割セル式高温粉体層強度測定装置での粉体挙動を再現するプログラムを開発し、セル内での粒子挙動を再現し、粒子間作用機構のモデルを導入することで、粉体層の高温場での応力―変位関係の測定結果を、DEM法で再現できることを示した。応用分野を拡大するため、本研究室での企業との共同研究テーマである口腔内即崩壊性薬剤の崩壊機構の解析を目的とした薬剤への液浸透及び崩壊過程の解析、コロイドサスペンジョンの乾燥過程など新規応用分野への展開のためプログラムの開発を開始した。これらの系については、コロイドプローブAFM法による相互作用の実測データの蓄積や乾燥過程の実験的観察データを今年度蓄積しており、吸引製剤や灰付着現象の解析で作成した解析ツールを基本に、新規解析法への展開の準備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
吸入製剤粒子の気管・気管支内の付着、バイオマス燃焼灰の炉内付着、二分割セル式高温粉体層強度測定試験のセル内粒子挙動など全く異なる系での計算用プログラムの開発に成功し、実験により求めた粒子間相互作用を導入することで実験結果との一致を得るなど、重要な成果を挙げている。成果の公表として論文の投稿を急ぐ必要はある。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた3種類の系の計算機解析は既に論文4,5報に該当する成果を挙げている。今年度は、まず、論文の投稿を最優先に実施する。
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Research Products
(1 results)