2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02777
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒木 一郎 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NOELIA Zafra Calvo 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 所有権の束 / コストと利益 / 有効性 / 持続可能な自然資源活用 / 参加型多基準の分析ツール / 保護活動 / 野生生物コリドー / アフリカ |
Research Abstract |
平成25年度においては、異なる財産権制度の下で、どのように、アフリカの国々における多様な野生動物のコリドー(移動路)の保全活動が実行されているのかを概念化することを目的として学術文献調査を継続するとともに、実地調査を行った。 実地調査の目的は南タンザニアの野生生物保護コリドーでなされている効果的な保護活動や必要なコストに関するデータの収集を達成するためであった。情報収集はその国の法制度、マーケットデータ、政府及びNGO機関等の報告書、地図等の文献及び専門家や政府官僚とのインタビューを通じて行った。さらに、コリドー内で2つに分けられた地域の7つの村落また野生生物管理区域として存在する5つの区域を訪れ、それぞれの村落で2つの異なる参加型ワークショップを行った。これらのワークショップは、村落の資源利用状況把握や、どれだけの資源が残っているか等を把握することを目的として行った。 以上の実地調査の結果をも踏まえ、さまざまな財産権と、交渉状況を基にした理論的枠組みについて、南アフリカのケープタウンにて行われた「持続可能な開発を支援するための効果的なガバナンス、制度構成と経済構造」会議において発表したほか、フランスで行われた「エコロジカル経済と制度的ダイナミズム」をテーマとした、「第10回欧州エコロジカル経済学会ビエンナーレ会議」で発表した。さらに、米国ボルティモアで開催された、「システムの融合、規律、ステークホルダー」を総合的なテーマとする第26回国際生態保護会議において、保護活動の有効性を調査する方法についてのプレゼンテーションや各種分科会に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、アフリカの野生生物のコリドーと農業地帯において生物多様性を保護するために、費用対効果のある保護計画戦略を調査することである。 自然資源におけるさまざまな財産権に基づき、例えば、何がより良い地域密着型保護、または私的規制保護につながるか、如何なる統治構造がより生物多様性の保護につながるかの研究にも着手した。 研究の進行については、ほぼ計画どおり達成されている。加えて、地域コミュニティとの参加型多基準分析ツールを用いて、持続可能な戦略の活用方法を模索する研究にも携わった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、生物多様性保護への脅威を最小限とどめるため、空間分析と最も費用対効果のある保護活動モデルの開発の可能性を模索していく。
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Research Products
(2 results)