2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02793
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村尾 美緒 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30322671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FURRER Fabian 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 量子暗号 / 連続変数 / 不確定性原理 / 安全性証明 / 量子相関 / 情報整合 / エントロピー / 量子鍵配送 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度までの研究によって得られた量子メモリー効果を考慮した不確定性関係を応用することによって、サイズ効果・量子メモリー効果が存在するより厳しい状況においても安全な連続変数の量子鍵配布を保証する量子鍵の生成レートを求めるための研究を行った。特に現在のテクノロジーにおいて15km以上の距離における安全な量子鍵配布を保証する、という現実的な設定の解析を行った。統計的解析の改善と、実験設定に対応するエネルギーのカットオフ定理の適応による量子測定の出力の値域制限によって、より精密な安全性証明が可能となった。その結果、現実的な状況下において26km程度の距離までの安全な量子鍵配布を保証する、より高い量子鍵の生成レートを得ることができた。さらに、非二値のLDPC符号という量子誤り訂正符号を量子鍵配布プロトコルに用いることで得られる最適化の解を求め、安全な量子鍵配布が保証される距離をより伸張させることができることを示した。この結果は、非二値のLDPC符号を量子鍵配布プロトコルに用いた世界初の結果であると考える。これらの理論的解析の結果に基づいて、対応する連続変数系を用いた量子鍵配布実験がハノーヴァー大学において進行中であり、この実験の理論部分を担当している。 量子暗号(連続変数の量子鍵配布)に関する研究に加えて、まったく新しいテーマとして、トポロジカルな量子系として最近注目を集めているエニオン系のエンタングルメントの情報理論的な解析について研究を進めた。特に、操作論・情報論的な観点からエニオン系におけるエンタングルメント測度の定式化を行い、エンタングルメント希釈とエンタングルメント抽出に関して操作論的に意味のあるエンタングルメント測度を定義し、トポロジカル相の研究において提案されていたトポロジカルエンタングルメントテントロピーとの関連を示した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)