2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの発展途上地域におけるエネルギー効率等促進のためのイノベーション研究
Project/Area Number |
12F02813
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
角南 篤 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KURNIAWAN Tonni Agustiono 政策研究大学院大学, 政策研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 北南協力 / 持続可能なエネルギー遷移 / イノベーション / 再生可能エネルギー / 多国籍 |
Research Abstract |
世界が持続可能な開発を唱える中、アジアの途上国でエネルギーの開発は持続可能性の懸念が高まりつつある重大な問題である。 ジャカルタとジョグジャカルタで行った調査では、交通手段や製造分野で安定したエネルギーを供給するために、政府は大きなチャレンジに直面していることがわかった。 マレーシア、タイの農村地域での調査では、バイオマスによる再生可能エネルギーの草の根レベルの開発が強化されていることが明らかになった。この現象は、政府が化石燃料への依存を軽減し、現在のエネルギー政策を転換するために、イノベーションの推進に注力していることを示唆する。また、両国では近年、海峡の潮流を活かした潮流発電の可能性が模索されている。 一方、中国では再生可能エネルギーの開発はめざましい進歩をとげている。調査に訪れた度門、深センでは、再生可能エネルギーに多くの原料が使用できることから、中国のエネルギー状況は一変し、2030年までに工業用のエネルギー確保を達成するめどがたっている。再生可能エネルギーの開発への莫大な投資が経済的誘因の一端を担い、これが実現したと考察される。 インドネシアは、エネルギー政策の移行・刷新への促進を迫られている。化石燃料依存を軽減させ、エネルギー需要を満たすために、再生可能エネルギーの導入は不可欠な選択肢と言える。政府や社会は、より持続可能なエネルギーシステムへの国家規模の移行を促進させる問題に直面しつっ、国内の需要に応えるべく、エネルギー供給をさらに強化させている。エネルギーの移行は、政府が導入するシステムだけではなく、社会の参画も重要な決め手となる。システム革新を通して、経済成長、環境維持、エネルギー確保の三つのバランス、複雑な相互関係の維持は、再生可能エネルギーへの円滑な移行に重要でる。エネルギーの効率向上と、革新的技術を用いた再生可能エネルギー資源の装備の統合は、インドネシアのエネルギー業界において、持続可能性を向上させる道筋を示唆するであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データを収集するためのフィールドワークで様々な障壁があったにも関わらず、必要に応じて研究計画微調整、また修正していった。数ヶ月に及んだ現地調査・文献研究の結果を論文にまとめ、査読審査のある専門誌でそれらを出版した。これらの論文はバイオマスのような自然資源に富んでいるにも関わらず、アジアの発展途上国(例えばインドネシア)では慢性的にエネルギー不足である、という実態と、再生可能エネルギー資源を利用している日本の経験に焦点を当てたものである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として、日本の様々な場所で現地調査を行い、日本とインドネシアにおけるエネルキー活用の有効性と持続可能なシステムにっいて、比較・評価を行う予定である。現地でのデータ収集では言語の障壁に直面することも想定されるが、IGES、地球環境戦略研究機関のシステム研究者たちと共同研究をすることにより、初期の研究計画に従事していく予定である。
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Research Products
(6 results)