2013 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性無機材料の合成と次世代蓄電池デバイスへの展開
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12J00031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 丈二 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 多孔性材料 / リチウムイオン二次電池 / モノリス電極 |
Research Abstract |
多孔性ケイ酸鉄リチウム(Li_2FeSiO_4)/炭素複合体モノリスを、相分離を伴うゾルーゲル法により作製し、マクロ孔径の制御を行った。また、得られた試料を用いて、細孔径(主にマクロ孔径)の電極容量に与える影響について系統的に調べた。その結果、明らかに細孔径の小さい電極ほど容量が大きくなる傾向が見て取れた。これは、細孔径の小さい試料ほど、細孔を構成する骨格の太さが細くなるため、固体内の電子およびイオン伝導経路が短くなるためであると考えられる。 リチウムイオン電池負極用、窒素含有TiO_2多孔体の作製およびその電極性能評価を行った。まず、非水系条件にて、相分離を伴うゾルーゲル法により、ジアミン分子により架橋されたチタン有機―無機ハイブリッド多孔質ゲルを作製し、これを空気中で焼成することにより窒素含有TiO_2多孔体を作製した。電極性能評価実験の結果、焼成条件を最適化すると窒素をドープされたアナターゼ多孔体は、アナターゼのリチウム挿脱入理論容量を超える容量を示した。これは、窒素のTi-O格子への導入により、格子の歪みが発生し、リチウムの挿入時における活性化エネルギーが低下、また、リチウムイオン導電性が向上したためだと推測されるが、原因の解明にはさらなる研究が必要である。 また、相分離を伴うゾルーゲル法により作製したTiO_2多孔体を水酸化リチウム水溶液中で処理したのち、焼成することで多孔質スピネル型チタン酸リチウムを作製した。水酸化リチウム水溶液中での処理によりTiO_2の溶解再結晶が起こり、その結果、多孔質骨格表面に花弁状構造を構築することに成功した。この複雑なナノ構造を有するチタン酸リチウム多孔体をリチウムイオン電池の他にナトリウムイオン電池電極として応用し、その電気化学特性の評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多孔性モノリス電極と用いて, 電極材料の細孔特性の電気化学特性に与える影響について知見を得ることに成功し, 研究は期待通りに進展したと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き種々の多孔性電極材料の合成を行い, 随時, 電池電極としての性能評価を行う。リチウムイオン電池に加え, ナトリウムイオン電池やマグネシウムイオン電池電極への応用も試みる予定である。 超分子鋳型法による電極材料のメソ孔制御については, 現在のところ成功していないため, ハードテンプレート法を用いた方法を用いた検討を行う予定である。
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Research Products
(8 results)