2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00160
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Research Institution | 立命館大学大学 |
Principal Investigator |
由井 秀樹 立命館大学大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2
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Keywords | 非配偶者間人工授精 / 養子縁組 / 特別養子縁組 / 家族 / 生殖医療 / 不妊 / 歴史 / 生殖技術 |
Research Abstract |
本研究は非配偶者間人工授精(Artificial Insemination by Donor ; AID)によって形成された家族がどのような経験をすることになるのか明らかにすることを目的に設定していた。 初年度は、主にAIDによって出生した子どもや、不妊治療を経て養子縁組を選択した養親、及び不妊治療を経て養育里親となることを選択した里親へのインタビュー調査の結果をまとめる作業を行っていた。具体的な研究実績としては、日本生命倫理学会第24回年次大会において、AIDによって出生した子どもの事例を取り上げ、従来から重要性が指摘されていた出自を知る権利(精子提供者情報管理・開示制度)の限界を指摘した。また、日本保健医療社会学会の学会誌『保健医療社会学論集』に原著論文が掲載された。ここでは、養子縁組をした養親の経験が検討され、特別養子縁組成立をめぐる不確実性に伴う養親の葛藤が提示された。 AIDや養子縁組によって形成された家族の研究をフィールドワークによって検証してきたが、こうした作業を行う前提として、そもそも日本ではどのようにしてAIDがはじめられ、実施され続けてきたのかという、AIDの歴史性がほとんど明らかになっていないことが問題として顕在化してきた。このような歴史性が不明確なままでは、不十分な研究成果になってしまう可能性がある。そこで、フィールドワークと並行しながらAIDの歴史を明らかにすることも目標に定め、研究を進めていった。具体的な成果として、日本科学史学会の学会誌『科学史研究』に原著論文が掲載され、そこで戦後間もなく、慶應義塾大学医学部産婦人科学教授である安藤畫一によってAIDが臨床応用されるようになった経緯が明らかにされた。また、立命館大学生存学研究センターの『生存学研究センター報告』に論文が掲載され、そこでAIDの導入後間もなく行われた慶應義塾大学の法学者によるAIDの法律問題に関する議論を検証した。他にも、第39回日本保健医療社会学会大会、第23回日本家族社会学会大会、障害学国際セミナー2013、第17回科学史西日本研究大会において研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2本の論文が学会誌に原著論文として掲載された他、各種学会を通して研究発表を積極的に行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
AIDやその他の第三者の関わる生殖補助技術の歴史―どのような経緯ではじめられ、いかなる形で実践されてきたか―をより詳細に明らかにする一方で、そのような手段で形成された家族がどのような経験をしてきたのか、そしてその経験は時代状況にどのような影響を受けたのか、という点を検討していく。
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Research Products
(7 results)