2012 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコンインクルージョン法の高温変成岩の適用、応用
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12J00237
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 陽介 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ジルコン / 高温変成岩 / カソードルミネッセンス像 / ラマン分光 |
Research Abstract |
高温変成岩中に含まれるジルコンの包有物を系統的に記載、研究した例は乏しい。したがって本研究では、主に高温変成岩中のジルコン包有部に着目した。本年度は、東南極Lutzow holm岩体から採取された高温変成岩に対象に、ジルコンに含まれる包有物から変成作用の履歴を推定することを目的とする。 これまでに約350サンプルの薄片を作成して、鏡下でジルコンが包有物を含んでいる約65サンプルを選定した。65サンプルの内訳は、花商岩質片麻岩5サンプル、超苦鉄質ラニュライトが2サンプル、残りが泥質片麻岩、砂質片麻岩であった。合わせて、ジルコンの産状を確認して形成ステージを推定した。当初の想定よりも、多くのサンプルのジルコンに包有物が含まれていた。 次に、X線マイクロアナライザーやラマン分光装置を用いて、包有物の同定を行った。サンプル数が多いため現在も同定作業を継続している。合わせてカソードルミネッセンス像(CL像)を用いて、ジルコンの結晶成長ステージの推定を行った。あるサンプルのジルコンの包有物の化学組成に着目すると、マトリックスに含まれる鉱物よりも高圧条件で形成されたことが示唆される。ラマン分光によって、ほとんどのシリカ鉱物は石英であることが分かったが、石英の高圧相であるコーサイトのピークを示すものが見つかった。ピークが弱いために測定条件を変更して再度測定する必要がある。これらの順次データを公表予定である。 このようにマトリックスとは違う温度圧力条件で形成された包有物が見つかったことは、変成履歴を推定するうえで大いに役立つ。未処理の30サンプルほど残されているので、今後有用なデータが蓄積できると考えている。包有物の同定を中心に研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の想定よりも多くのサンプルを選定できたことに加えて、包有物の同定がある程度進んでいる。そのなかでも、変成履歴を推定するうえで有用と思われる包有物を発見できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目にデータがある程度蓄積されているため、研究計画に大きな変更はない。実施二年目以降は、得られたデータを順次公表する予定である。公表するにあたって、データの信頼度や精度を十分に上げる必要性はある。
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Research Products
(2 results)