2013 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体と真空技術を組み合わせた新規ナノ材料の創製と応用
Project/Area Number |
12J00381
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉井 一記 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イオン液体 / 金属ナノ粒子 / カーボンナノチューブ / 燃料電池 / 電気化学 / 真空技術 |
Research Abstract |
本研究は、イオン液体と真空技術を組み合わせた新規ナノ材料の創製と応用、特に金属ナノ粒子およびそれらを用いた複合材料の作製と電気化学的な応用を目的としている。イオン液体は、常温で液体の塩であり、不揮発性、不燃性、イオン伝導性を持つ、電気化学的・熱的に安定といった特異な物理化学的性質を持つため多くの研究が行われている。本年度の研究においては、金属ナノ粒子作製に影響を及ぼす因子を検討するために、新規なリン系カチオンを有するイオン液体を合成し、それらの物性評価を行うとともに、イオン液体-スパッタリング法への応用を行った。さらに、昨年度より行っている複合触媒の燃料電池用触媒としての耐久性評価を行った。 金属ナノ粒子作製に影響を及ぼす因子については、4種類の新たに合成したイオン液体を含む20種類以上のイオン液体を用いて調査を行ったところ、イオン液体の粘度や密度と粒径に相関があることが明らかになった。系統的にイオン液体種の影響を調べた前例はなく、本方法の発展には非常に意義深いものであると考えられる。 Ptナノ粒子担持炭素材料の燃料電池用電極触媒としての耐久性を評価すると、市販の燃料電池用電極触媒と比較して、大幅に耐久性が向上することが明らかになった。SWCNTだけでなく一般的な炭素材料であるカーボンブラックを用いた際でも、耐久性の向上がみられた。これはPtナノ粒子と炭素材料の間に存在しているイオン液体が結果に寄与していると考えられる。これらの結果は高耐久性の燃料電池カソード用触媒作製の新規なアプローチとして有用なものであると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)