2014 Fiscal Year Annual Research Report
血球系分化における核小体因子MYBBP1Aの新規機能の解明
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12J00436
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
片桐 尚宏 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 核小体 / Pol I転写 / rRNA / 血球系分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
25年度の研究から、培養細胞を用いたin vitroの系において、核内構造体の核小体が崩壊することにより血球系分化が誘導されることが示唆された。そこで26年度は生体においても同様に、核小体崩壊により血球系分化が誘導されるのかを、マウスから単離した血球系細胞を用いて評価した。初めにマウスの骨髄から血球系細胞を単離し、核小体の大きさを観察した。その結果、分化初期の造血幹細胞では大きな核小体が観察されたが、血球系に分化するにつれて核小体の縮小が観察された。次にマウスの骨髄からマウス造血幹細胞を単離し、マウス造血幹細胞にRNA polymerase I (Pol I) 転写必須因子であるTIF-IAのノックダウンを行い、核小体崩壊を誘導した。その結果、マウス造血幹細胞において核小体崩壊が誘導され、好中球分化が促進した。これらの結果から、マウス生体内においてPol I転写抑制による核小体の崩壊時に、血球系分化が誘導されることが示された。さらに核小体崩壊による血球系分化が核小体タンパク質MYBBP1Aによって制御されているのかを確かめるために、血球細胞特異的なMYBBP1Aノックアウトマウスの作製に取り組んだが、マウスの完成に至らなかった。また興味深いことに、Pol I転写抑制による核小体崩壊時に大規模膜分解系であるオートファジーが誘導されることを新たに発見した。核小体崩壊時のオートファジーに関与する因子のスクリーニングを行った結果、核小体タンパク質NPMを同定した。赤血球分化では細胞からミトコンドリアが適切に除去されることが必要であるが、このミトコンドリアの除去がオートファジーによって行われることが報告されている。したがって、Pol I転写抑制による核小体崩壊が、核小体タンパク質NPMを介してオートファジーを誘導することで、正常な赤血球分化を促進する可能性が新たに示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)