2012 Fiscal Year Annual Research Report
高繰り返しファイバーレーザーを活用したコンパクト数サイクルパルス光源の開発
Project/Area Number |
12J00476
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻野 純平 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ファイバーレーザー / 数サイクルレーザー |
Research Abstract |
パルス幅が光電場振動の数サイクルにまで狭められた超短パルスレーザーは,レーザー粒子加速や高次高調波発生等の多様な科学技術・学術及び産業分野に極めて有用であることから近年急速に進歩している.特に,光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)は超広帯域性と大口径化が可能であり,超高強度レーザーの分野でも今後大きく伸びる可能性を秘めている.しかし,OPCPAによる数サイクルレーザーの応用では,安定性とビーム品質が重要である.高安定・高ビーム品質のOPCPAを実現するには,同じく高安定・高ビーム品質の励起レーザーの開発が必要不可欠である.また,さらなる応用分野の拡大のためには高繰り返し化が必要であり,産業応用の観点からはコンパクト化も望まれている.そこで、本研究では,OPCPAの励起源として市販の電気同期YAGレーザーではなく,独自開発の光同期ファイバーレーザー増幅器を用いることによって,高繰り返し数サイクルレーザーの性能向上とコンパクト化を目的としている。 当該年度は、申請時に挙げた年次計画に従い、光パラメトリックチャープパルス増幅の励起光源の開発として、1.ファイバー再生増幅器の開発、2.高次分散補償,波長変換を行った。 1.ファイバー再生増幅器は完成には至っていないが、申請時より、設計をより詳細に行い、主要部品を配置し、基礎的な実験をもとに数値シミュレーションを終了している。 2.高次分散補償,波長変換では、波長変換の効率向上のためフロントエンドの単一モードファイバー増幅器の最適化を行い多段増幅時の自然放出光増幅(ASE)を抑えた光源の開発に成功している。これにより、波長変換効率が上昇しOPCPAの励起光源として必要な出力を達成した。また、さらなる、性能向上化に向けて空間光変調器を用いた高次分散補償を行う。その基礎実験を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光パラメトリックチャープパルス増幅の励起光源の開発を行い、ファイバー再生増幅器は完成には至っいないが、申請時より、設計をより詳細に行い、主要部品を配置し、基礎的な実験をもとに数値シミュレーションを終了している。また、高次分散補償,波長変換では、波長変換の効率向上のためフロントエンドの単一モードファイバー増幅器の最適化を行い多段増幅時の自然放出光増幅(ASE)を抑えた光源の開発に成功している。以上より、実験計画にやや遅れはあるものの、ファイバーレーザーを用いた励起光源の高性能化、コンパクト化において一定の成〓〓〓
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Strategy for Future Research Activity |
高次分散補償,波長変換では、波長変換の効率向上のためフロントエンドの単一モードファイバー増幅器の最適化を行い多段増幅時の自然放出光増幅(ASE)を抑えた光源の開発に成功している。これにより、波長変換効率が上昇しOPCPAの励起光源として必要な出力を達成した。本年度は、このレーザー装置の更なる性能向上化に向けて空間光変調器を用いた高次分散補償を行う予定にしている.また、光源が完成次第、その出力を用いた応用として、半導体等の表面光反応や分子振動の実時間分光に関する応用研究も積極的に展開する.そのためには,所属研究室が外部の共同研究者と行っているポンプ・プローブの技術や現有の反射型フェムト秒プローブ画像計測器等を活用する予定である.
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Research Products
(3 results)