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2012 Fiscal Year Annual Research Report

中心体キナーゼLats2のM期或いはDNA損傷下における核移行後の機能解析

Research Project

Project/Area Number 12J00502
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

鈴木 宏和  大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)

KeywordsLats2 / リン酸化 / p21 / アポトーシス / P-body / 紫外線 / DNA損傷 / Chk1
Research Abstract

当初はLats2のS408のリン酸化に注目していた。しかし、p21とLats2の機能関係を探る過程で、Lats2のS835のリン酸化こそ重要であることを見出した。紫外線照射により活性化したChk1がLats2のS835をリン酸化する事で、Lats2は活性化するのである。さらにこの活性化型Lats2は他のLats2のS835をリン酸化する。すなわち、Chk1によるリン酸化を引き鉄に、Lats2の活性が爆発的に増加することを見出した。これは、DNA損傷下流でLats2が活性化するメカニズムを明らかにしたという点において非常に重要な発見となる。このS835のリン酸化を模倣しているLats2-S835D変異体を作成し、細胞に導入した所、アポトーシスが著しく亢進された。その知見をもとに実験を行うと、以下のような結果を得た。(1)p21のSer146をLats2がリン酸化する(2)Lats2はp21を不安定化する(3)Ser835リン酸化型Lats2はp21に対して強い活性を持つ(4)Ser835リン酸化型Lats2を導入するとアポトーシスが誘導される。(5)S835D-Lats2によるアポトーシスはp21の減少による。以上、これらの結果から、紫外線照射を受け活性化したLats2がp21を分解誘導し、アポトーシスが誘導されると結論付け、論文を投稿し、リバイズ実験が終わり再投稿した段階である。また、この経路をさらに発展させる発見を見出した。具体的には、Ser835リン酸化型Lats2は核内において特定部位に局在するということである。DNA損傷により活性化したLats2の局在を世界で初めて見出した。この部分に局在する因子を抽出し、Lats2とのkinase assayに供したところ、なにかしらがリン酸化されることを見出だし、質量分析により候補を10個ほどに絞るところまで進展している。今後はこの知見を更に追求するつもりである。一方、P-bodyの研究は、注目していたMyosin-9との関連を見出すことはできず、質量分析により何度か解析しいくつかの候補でLats2とP-bodyとの関連を調べたものの良い結果を得ることができず、P-body形成におけるLats2の明確な機能は同定出来ずにいる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

DNA損傷下におけるLastの機能について、アポトーシスを誘導するという知見を得ることができたのは極めて重大な発見であり、「M期あるいはDNA損傷下でのLats2の機能」のうち一端を明らかにできた。また、M期におけるLata2の機能解明という点でも、M期に入るとリン酸化による修飾を受けること、14-3-3の活性を阻害するようなリン酸化を施すという結果をえることができたので、今後の展望は立てやすい。一方、論文投稿がなかなかうまくいかず、学会発表の場を逸したのは痛恨であった。24年度は海外でも多くの発表を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

紫外線照射後に活性化したLats2が、核内の特定部分に局在することを見出した。この部位はmRNAの貯蔵、翻訳制御、核外移行をつかさどる部位で、これらの機能にLata2が関与する証拠をつかむことができれば世界初の重大な発見となりうるので、その点に勢力の大半を傾ける予定でいる。この点を明らかにすると、いよいよLata2にはDNA損傷下流での機能があることを立証する事になる。Late2についてはHippo pathwayでの機能が研究されているが、その潮流に一石を投じることになる。一方、M期でのLats2の機能解明だが、リン酸化部位の同定が思うように進展していない。まずはリン酸化部位の同定が第一となるが、局在なども検討するなど、いくつかの攻め手をもって打開策を見出していく。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] N-terminal truncation of Lats1 causes abnormal cell growth control and chromosomal instability.2013

    • Author(s)
      Yabuta N, Mukai S, Okamoto A, Okuzaki D, Suzuki H, Torigata K, Yoshida K, Okada N, Miura D, Ito A, Ikawa M, Okabe M, Nojima H.
    • Journal Title

      Journal of Cell Science

      Volume: 126 Pages: 508-520

    • DOI

      10.1242/jcs.113431

    • Peer Reviewed
  • [Book] DVDで見るバイオ実験(編芦博)「形質転換」の項2013

    • Author(s)
      鈴木宏和
    • Total Pages
      3
    • Publisher
      講談社
  • [Remarks]

    • URL

      http://molgenet.biken.osaka-u.ac.jp/index.html

URL: 

Published: 2014-07-16  

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