2012 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンス医薬を志向した革新的人工核酸コンジュゲートの創成研究
Project/Area Number |
12J00514
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 和土 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核酸化学 / 人工核酸 / アンチセンス |
Research Abstract |
平成24年度は、1塩基部の倒れ込み」という新しい概念を導入した次世代人工核酸の創製及びそれがRNA結合親和性へ与える効果の検証を中心に研究を進めた。塩基部の倒れ込みを強調するようピラノース環を基本骨格とする人工核酸(BsNA)を設計し、D-グルコースから18工程で目的のBsNAヌクレオシドの合成を達成した。BsNAヌクレオシドをホスホロアミダイト体へと誘導し、DNA自動合成機を用いてオリゴヌクレオチドへと導入し、その相補鎖結合親和性をTm値を指標として評価した所、予想に反してBsNAは結合親和性が低いことが明らかとなった。そこで、BsNAヌクレオシドのX線結晶構造解析を行い、その構造を詳細に精査すると、天然のRNAあるいは他の人工核酸と比較して塩基の回転角が大きく異なっていることが判明した。また、BsNAの糖部3'β位の水素原子がオリゴヌクレオチド中で塩基間のスタッキング相互作用を阻害している可能性や、塩基部の倒れ込みを強調しすぎた結果、相補鎖結合親和性が低下したことも考えられる。現在それぞれの問題点を克服するよう設計した各BsNA類縁体の合成を進めており、考え得る要因のうちのどれが相補鎖結合親和性を低下させた原因なのか、追究を試みている。 また、以上の内容に関して計3つの国際学会(The 7th Seoul-Kyoto-Osaka Joint Symposium on Pharmaceutical Sciences for Young Scientists、XX International Round Table on Nucleosides,Nucleotides and NucleicAcids、13th Tetrahedron Symposium-Asia Edition)にて発表を行い、世界中の研究者達とディスカッションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通りBsNAの合成を達成したものの、予想に反してBsNAを導入したオリゴヌクレオチドが相補鎖結合親和性に乏しく、現状、その原因追及を行っている段階であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
BsNA類を導入したオリゴヌクレオチドの相補鎖RNAに対する結合親和性が低い原因としてBsNAの核酸塩基の回転角が他の人工核酸と比較して大きく異なっていることが考えられた。そこで今後は核酸塩基の回転角を調整したBsNA類縁体を新たに設計・合成し、それをDNA自動合成機を用いてオリゴヌクレオチドへと導入する。BsNA類縁体を導入したオリゴヌクレオチドの相補鎖RNAに対する結合親和性をTm値を指標に評価し、BsNAのRNA結合親和性が低下した原因が塩基の回転角であるのか検証する。
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Research Products
(3 results)