2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00518
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻野 陽輔 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アーク溶接 / 数値解析 / アークプラズマ / 溶融池 / 溶滴移行 / 統合モデル |
Research Abstract |
本研究はモノづくり分野において不可欠な技術となっているアーク溶接プロセスの高度化をめざし, 数値シミュレーションモデルを構築し, アーク溶接プロセスの現象そのものを可視化することにより, より深く理解することを目的としたものである. 1. 溶滴移行現象の3次元モデル解析 アーク溶接プロセスにおいて電極ワイヤが母材へと移行する現象である溶滴移行現象について3次元モデルを構築した. 本モデルでは, 溶融金属に作用する駆動力として電磁力に注目し, 移行形態に及ぼす影響について解析した. 本モデルを用いて不安定な移行形態であるローテーティング移行の発生機構を解析し, 電磁力のバランスによって移行形態が大きく変化することを明らかにした. 2. 溶融池表面の形状変化を考慮したティグ溶接の統合モデル アーク溶接プロセス中においてはアーク圧力や金属の自重によって溶融池表面の形状が絶えず変化している. 本モデルにおいてはティグ溶接を対象とし, 溶融池表面の形状変化を考慮した統合モデルを構築した. 本研究では金属の自重によって溶融池の表面形状が大きく変化する開先継手に構築したモデルを適用し, アークプラズマの熱源特性の変化ならびに溶込み形状に関して解析を行った. アークプラズマの熱源特性に関しては溶融池表面形状が変化することによって入熱分布が大きく変化することがわかった. これは電極先端と溶融池表面の距離が変化することが原因である. また, 解析によって得られた溶込み形状は実験結果とよく一致し, 本モデルを用いることによって溶融池表面形状が変化した際でも, その現象変化をよく表現することができることがわかった. 以上のことから, 本研究によって構築したモデルは, アーク溶接プロセスの可視化を進めることができ現象そのものの理解に対し, 有用であるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)