2014 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシグナリング:解糖系代謝物によるTORC2の新規活性化機構の解明
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12J00522
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 亘 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メチルグリオキサール / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの解析から、酵母Cキナーゼ(Pkc1)がTORC2の基質になることを見出し、解糖系代謝物であるメチルグリオキサールがTORC2-Pkc1シグナル経路を活性化すること、さらにメチルグリオキサールが哺乳類TORC2(mTORC2)シグナルについても活性化することを明らかにしてきた。 本年度は、メチルグリオキサールによるTORC2シグナルの活性化に関わる因子についての解析を行った。TORC2は細胞内で細胞膜直下にドット状に局在するが、これまでに解析でホスホリパーゼC(Plc1)の欠損株においてTORC2のドット状局在が著しく減少することを見出している。そこで、Plc1欠損によるTORC2局在の変化がTORC2シグナルに及ぼす影響について、Pkc1のリン酸化(TORC2によるPkc1のリン酸化サイトであるSer1143のリン酸化)を指標にして検討した結果、メチルグリサールによるSer1143のリン酸化レベルの亢進がPlc1欠損株では起こらなくなることを見出した。これらのことより、TORC2シグナルの活性制御にTORC2の細胞内局在が重要であること、ならびにPlc1によるTORC2シグナルの制御機構の存在が示唆された。また本年度は、Ser1143以外のTORC2のPkc1リン酸化サイトであるThr1125の機能についても検討した。Thr1125のリン酸化の効果を検討するため、Thr1125をAlaに置換した変異体を作成して解析した。その結果、Thr1125のAla置換によりPkc1タンパク量の減少、およびSer1143のリン酸化レベルの減少が認められた。このことより、TORC2によるThr1125リン酸化がPkc1のタンパク質安定性に寄与するだけでなく、Ser1143のリン酸化レベルに影響を及ぼすことを明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)