2012 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンの修飾法の開拓ならびに空間および表面制御による新奇反応媒体の開拓
Project/Area Number |
12J00524
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長町 俊希 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イミノフラーレン / 有機薄膜太陽電池 / 新奇反応場 / シクロデキストリン / サイズ選択的抽出 / 包接複合体 / フラーレン / カーボンナノマテリアル |
Research Abstract |
本研究ではフラーレンをはじめとするカーボンナノマテリアルの化学修飾法の開発ならびに、これらのカーボンマテリアルの新奇反応媒体を活用する空間的制御法の開発を目的とした。 C_<60>誘導体は太陽電池をはじめとする電子素子の材料としての応用が期待されている。フラーレンを化学修飾することで諸物性を変化させることができることを鑑みると、フラーレンの化学修飾法は非常に意義深い研究である。 このような観点から、申請者はこれまでに入手容易な有機化合物であるアミドを窒素源として活用するイミノフラーレンの合成法を見出している。合成したイミノフラーレンであるアジリジノフラーレンおよび、アザフレロイドを有機薄膜太陽電池に適用し、そのエネルギー変換効率を評価した。イミノフラーレンの低いLUMO準位から、開放電圧はPCBMと比較して低い値を示したが、各種パラメータから算出されるエネルギー変換効率(PCE)はPCBMを超える値が得られた。 一方、カーボンマテリアル特有の低溶解度の問題を全く新しい観点から解決することを目指した。初期的知見として申請者は、非極性媒体中でのC60とTBDMS基により化学修飾したγ-シクロデキストリン(TBDMS-γ-CD)の包接現象を見出している。得られた包接複合体の構成要素を各種分光学的手法により測定した結果、C_60とTBDMS-γ-CDが1対2の量論比で複合体を形成していることが判った。TBDMS-γ-CDでC_60を包接することにより、クロロホルムに対するC_60の見かけ上の溶解度が250倍以上向上することを確認したさらに、TBDMS-γ-CDが新たな反応場かつ、反応制御機能を有することを明らかにし、サイズ選択的な包接能を活用することで、C_60とC_70の混合物からC_60のみを抽出することに成功した。
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Research Products
(3 results)