2014 Fiscal Year Annual Research Report
強相関電子系におけるトポロジーと量子輸送現象の理論的研究
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12J00600
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下出 敦夫 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重力理論 / 軌道角運動量 / カイラル超伝導体 / トポロジカル超伝導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は重力のゲージ場である多脚場と場の強さである捩率の時間成分を用いて熱輸送の理論を確立したが,今年度はそれらの空間成分を用いて運動量輸送の理論を確立した. まず捩率の空間成分の電場が回転の角速度と歪み速度テンソルを記述することを示し,軌道角運動量と粘性がそれぞれ電気分極と電気伝導度の運動量版であることを見出した.特にゲージ原理の観点からは角速度が磁場ではなく捩率の電場であるということは重要な指摘である.昨年度までに確立した曲がった時空におけるKeldysh形式を用いてそれらを定式化し,波数空間における簡単な公式であるBerry位相公式を導出した.Cooper対が軌道角運動量をもつ2次元または3次元カイラル超伝導体に対してこの公式を応用し,既存の普遍的な結果を再現するとともにHall粘度の温度依存性を得た.この研究は理化学研究所およびCEA Saclayの木村太郎氏との共同研究であり,Physical Review Bに出版されている. さらにCooper対自身は軌道角運動量をもたないトポロジカル超伝導体に対しても軌道角運動量のBerry位相公式を応用し,2次元カイラル超伝導体とは異なる,Rashba型のスピン軌道相互作用に依存した非普遍的な結果を得た.これにより,既に知られているトポロジカル超伝導体の非普遍的な不純物効果を定性的に説明することができた.この研究は日本原子力研究開発機構の永井佑紀氏との共同研究であり,Physical Review Bに投稿中である.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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