2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00682
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 修平 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 球面アクチュエータ / 三次元有限要素法 / 電磁界解析 / 多自由度センシング |
Research Abstract |
従来の多自由度駆動機構は多くのモータを組み合わせることにより実現されており, それによりシステムの大型化やエネルギー効率の悪化等を招いていた。一台で三自由度の駆動が可能な球面アクチュエータを用いることで, これらの問題を改善することが可能である。 そこで, 本研究ではロボットの関節部へ適用可能な高出力, 広角駆動, ロバスト性の高い制御が可能な球面電磁アクチュエータを開発し, 従来の基本的な多自由度駆動機構に対する優位性を実証する。本年度は提案した球面アクチュエータの試作機を製作し, その動作特性を実験により確認した。本アクチュエータは可動子が三自由度駆動し, 可動子回転角度の測定が困難であるため, 始めに測定装置の設計・試作から行った。その後, アクチュエータをオープンループ制御およびクローズドループ制御で駆動させた際の可動子の回転角度を測定した。実験結果より, 三軸同時駆動の際にも各軸を独立した制御で駆動させることが可能であることと, 位置フィードバツク制御を行うことにより, 三軸ともに目標位置に誤差1度以内で静止させることが可能であることが確認され, 本アクチュエータの有効性を示すことができた。 また, カラーセンサを用いたセンシングシステムの開発については, 本年度は提案手法のロバスト性向上および測定精度向上のための改良を行った。まず, 外光の影響により測定する色が変化してしまう課題を解決するために, これまでのRGB情報ではなく, HSV情報を用いる方法を提案し, 実験によって周囲の明るさの変化による測定誤差が低減されることを確認した。次に, 測定精度の向上のため, 色検出処理の高速化を行った。これまでの検出のアルゴリズムを改良し, 色の勾配の情報を用いることで検出処理が大幅に高速化されることを確認した。そのほかにセンサ信号ノイズの影響確認などを行い, 本手法の有効性確認および実用化への課題確認を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はアクチュエータの試作機および測定装置を製作し実験検証を行った。またカラーセンサを用いたセンシングに関しては, 様々な改良によりその精度向上を図った。それぞれの研究内容に対し有効性を薙認することができた。これらは当初の目標とほぼ一致しており、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はカラーセンサを用いたセンシング手法開発に対して更なる性能向上を図る予定である。具体的には, 可動子への着色パターンや探索アルゴリズム、角度決定アルゴリズムの変更を検討予定である。そして実験検証により提案手法の有効性を確認する。 また, 可動子にグラデーション状の着色を施す現在の手法においてはいくつかの課題が残されているため, これらを解決する手段としての別方式に関してもその実現可能性も含めて検討予定である。
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Research Products
(5 results)