2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者を対象としたL2 Self Systemのモデル構築と拡張
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12J00739
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
植木 美千子 関西大学, 外国語教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 動機づけ / L2 Motivational Self System / 統合的枠組み / 学習者情意 |
Research Abstract |
L2動機づけ・L2不安に関する研究の歴史は長く、数多くの研究がなされており、研究の蓄積がある。しかし、それぞれの研究が相互に関係性を持たずに行われており、単独では複雑な学習者情意を説明するのは困難となっている。今後、学習者情意をよりよく理解し、学習行動と結びつけていくためには、L2動機づけとL2不安を同じ枠組みで統合的に説明できるようなモデルを提案することが喫緊の課題である。それら複数の情意的要因を統合できる理論として、申請者が位置づけているのは、Domyei(2005)が提唱するL2 Motivational Self Systemというモデルである。このモデルは元来L2動機づけを説明しようと提唱されたものではあるが、このモデルを用いることによってL2動機づけやL2不安など学習者情意を統合的に説明できる可能性があると考える。そこで本研究の目的を、日本人英語学習者を対象とし、実証的なデータに基づきL2 Motivational Self SystemをL2動機づけだけでなくL2不安を含め学習者情意を統合的に説明できるようモデルを構築することとした。平成24年度は、日本人海外留学予定者を対象とし彼らの留学前後のモデルの変化について量的分析方法を用いて調査した。具体的には質問紙を用いて、共分散構造分析(多母集団分析)を用いて調査した。留学の前後のモデルの構成要素を比較することによって、L2学習環境(L2 Leaming Fnvironment)がL2 Motivational Self Systemに与える影響を解明することが可能となった。この結果によって多様化する日本人英語学習者の学習スタイルにも対応できるモデルとなり、より教育的示唆に富むモデル構築が実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定通りデータ収集、データ分析をすすめ、その結果を国内外の学会発表で成果を発表している。また研究論文が国際誌に2本掲載されるなど、外部からの評価も高い。
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Strategy for Future Research Activity |
最後の研究のデータ収集・分析を完了させ、あとは結果をまとめ、各研究との関連性を明らかにし、本研究の総括をする。
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Research Products
(12 results)