2012 Fiscal Year Annual Research Report
力覚提示のための多自由度振動アクチュエータに関する研究
Project/Area Number |
12J00808
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉元 崇倫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 振動アクチュエータ / 多自由度 / 三次元有限要素法 / 力覚提示 / 偏加速度 |
Research Abstract |
本研究では小型で三次元空間の任意方向へ動作可能な多自由度振動アクチュエータの開発と,力覚を提示可能な制御法を提案することで,三次元方向への非接地力覚提示の実現を目的としている.本年度は主に二自由度振動アクチュエータの提案を行った.加えて偏加速度駆動を行った場合の特性をシミュレーションによって評価し,X軸,Y軸の各方向において,提案する振動アクチュエータを用いて偏加速度駆動が可能であることを明らかにした.以降に詳細を述べる. 提案した二自由度振動アクチュエータはX,Yの二軸方向に駆動軸を有する.内側を固定子とする構造であり,可動部分はロの字の形状である.可動子外形は30mm四方とし,手のひらに容易に収まる大きさとした.有限要素法を用いた解析により,本アクチュエータの推力は平均約5.8N発生していることが確認された.また,推力はX,Yの両軸でほぼ同じ値であり,駆動軸方向以外への推力についてもほとんど発生していないことが確認できている.以上より,本アクチュエータのX,Y軸は互いに干渉無く,その推力特性から良好な制御性をもつことが示された. 提案アクチュエータを用いて偏加速度駆動が可能であるかシミュレーションによって評価した.シミュレーションはX軸を10Hzで偏加速度駆動した場合において,定常状態に到達したときの可動子の変位と加速度によって評価した.この結果より,偏加速度の発生が確認でき,その時の加速度のピークをステータに発生する加速度に換算するとそれぞれ5.7m/s^2,1.8m/s^2となった.この正負の加速度ピークの比は,力覚提示に十分な値であることから,提案するアクチュエータの有効性が示せたと言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前に研究計画として提出したものでは,本年度は1自由度モデルの解析を行うとしたが,それを比較的早い段階で達成することができた.それにより,やや予定を前倒しして二自由度モデルの提案に着手することができ,シミュレーションでは良好な結果が得られていることから,おおむね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は,引き続き研究計画に基づき,提案した二自由度振動アクチュエータの試作機を用いた被験者実験を行っていく予定である.これにより,振動アクチュエータに適した力覚提示の手法を検討する.また,提案した二自由度振動アクチュエータをベースに三自由度へ拡張したモデルの提案を行う予定である.しかし,単純な拡張では支持機構が問題となる可能性が高い.そのため,支持機構自体が簡素になる,あるいは支持機構自体が不要となる構造を提案する必要がある.その場合,一自由度あるいは二自由度というように自由度を下げ,動作原理など基本的なところから検証を進める予定である.
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Research Products
(6 results)