2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J00941
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
重光 孟 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超分子 / ナノファイバー / 高結晶性 / 刺激応答性 / 超音波 / 電気伝導性 / パイ共役分子 |
Research Abstract |
本研究は、外部刺激によって動的に物性制御が可能な超分子ナノファイバーを創出することを目的としている。当研究員は超音波応答性の超分子ナノファイバーを発見し、そのメカニズムの解明に成功した。音という物理刺激に応答するナノファイバーはこれまでに報告例がなく、独創的な研究である。 本年度は、超音波応答性超分子ナノファイバーを構築した化合物に類似した2つの化合物を合成し、現象の一般性について研究を行った。その結果、新たに合成した2つの化合物は超音波によってナノファイバーを形成したが、ナノファイバーから異なるナノファイバーの転移は不可能であった。すなわち、類似の構造を有していても超音波応答性が異なることが明らかとなった。得られたすべてのナノファイバーの分子配列を決定し、超音波応答性について考察したところ、最安定構造とエネルギー的に差の小さい準安定な構造の構築が重要であることが分かった。その結果をもとに、超音波応答性超分子ナノファイバーの分子設計指針を提案した。 さらに超音波応答性ナノファイバーは、刺激を加える前後で劇的に電気物性を変化させることも分かった。この点は材料化学の観点から非常に興味深い。この電気物性の劇的な変化についても、各ナノファイバーの構造を比較することで理由を明らかにすることができた。 本研究では超音波応答性ナノファイバーの発見、現象解明、分子設計指針の提案までを2年間で順調に遂行し、論文として発表することができた。本成果は刺激応答性材料の発展に新たな視点を与え、超分子化学の発展に大きく寄与するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Highly Crystalline Supramolecular Nanofibers Based on Dehydrobenzoannulene Derivatives2013
Author(s)
Hajime Shigemitsu, Ichiro Hisaki, Eriko Kometani, Daisuke Yasumiy a, Yuu Sakamoto, Keisuke Osaka, Tejender S. Thakur, Akinori Saeki, Shu Seki, Fumiko Kimura, Tsunehisa Kimura, Norimitsu Tohnai, Mikiji Miyata
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Journal Title
Chemist a European Journal
Volume: 19
Pages: 15366-15377
DOI
Peer Reviewed
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