2014 Fiscal Year Annual Research Report
海馬シナプス可塑性を誘導する内因性メカニズムに関する生理心理学的研究
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12J01035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 江津子 北海道大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 海馬 / カイニン酸受容体 / PSD-95 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、記憶の獲得や想起に関連があると考えられている高周波の律動波であるガンマオシレーションに関する研究を行い、興奮性または抑制性神経細胞に発現するカイニン酸型グルタミン酸受容体がガンマオシレーションの発生に重要な役割を担うことを示した。本年度は、このカイニン酸受容体のシナプス局在に関する研究を行った。カイニン酸受容体は、脳の中でも海馬CA3野など特定のシナプス部にのみ発現していることが知られている。興奮性シナプス後部には、シナプス後肥厚(postsynaptic density: PSD)と呼ばれる電子密度の高い構造が見られる。グルタミン酸受容体はPSD内に密に発現することが知られており、PSD内の主要なタンパク質であるPSD-95はグルタミン酸シナプス伝達の主要な担い手であるAMPA型グルタミン酸受容体のシナプス局在に重要な役割を果たしている。一方でPSD-95はカイニン酸受容体のサブユニットとも直接結合し、またカイニン酸受容体のクラスター化に関与することが示されているが、内在性のカイニン酸受容体のシナプス部への局在にPSD-95が関与しているのかについてこれまで直接検討されていない。そこで、PSD-95ノックアウトマウスを用い、内在性のカイニン酸受容体のシナプス局在におけるPSD-95の役割を検討した。海馬CA3野の苔状線維シナプスは、カイニン酸受容体が密に発現しているシナプスであり、AMPA受容体阻害下においてカイニン酸受容体を介する時間経過の遅いシナプス応答が記録される。このようなカイニン酸受容体を介するシナプス応答成分は、野生型マウスに比べてPSD-95ノックアウトマウスでは減少していることが示された。シナプス部におけるカイニン酸受容体の局在化にPSD-95が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)