2015 Fiscal Year Annual Research Report
植民地期朝鮮における近代日本経由西洋哲学翻訳用語の受容過程に関する研究
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12J01118
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
許 智香 立命館大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 翻訳 / 哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者は平成24年以来、「植民地朝鮮における近代日本経由西洋哲学翻訳用語の受容過程」に関して研究してきた。そこで27年4月から28年3月までの一年間は、これまで蓄積してきた諸研究をまとめ、博士学位論文作成に取り組んだ。以下では、これまでの研究をまとめる上で、28年3月の提出予定である学位論文の大まかな内容を挙げることで研究実施状況を報告する。 報告者のこれまでの研究は、主に三つの部分にまとめられる。一つ目は、西周という人物を中心にPhilosophyの翻訳課程を問う。二つ目は、西周の後の世代における「哲学」の定着の問題、三つ目は帝国日本の学知としての「哲学」と植民地朝鮮との関係である。今年は、これらの実績をもって博士学位論文に書き上げた。 学位論文のタイトルは、「近代日本における「Philosophy」の翻訳に関する研究」である。総2部と二つの補論に構成される。まず、第Ⅰ部においては、Philosophyを漢字語「哲学」にはじめて翻訳したと知られる西周(1829~1897年)の経験に注目した。かれが西洋の概念を翻訳する過程で書きあげた文章を取りあげ、以前には見られない新たな「学」という概念のなかで「哲学」をどのように位置づけようとしたのか、そして、実際にかれが西洋の概念を翻訳する際においてどのような文献を読んでいたのかに注目し、他の概念との関連性も視野に入れながら「哲学」の翻訳過程について考察した。そして第Ⅱ部では、西周の次の世代に注目した。具体的には、Philosophyの訳語として「哲学」がすでに定着し、東京大学の学科名として選ばれた時期である1870年代より、井上哲次郎の『哲学字彙』という字典が出版される1880年代を中心に、制度としての「哲学」の定着について論じた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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