2014 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミックな構造変化が駆動する鉄硫黄クラスター合成機構の全容解明
Project/Area Number |
12J01292
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平林 佳 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 鉄硫黄クラスター / 鉄硫黄タンパク質 / X線結晶構造解析 / 構造変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄硫黄(Fe-S)タンパク質は生物界に普遍的に分布しており、生命活動の根幹に関わる反応を担っている。それらの機能を支えるのがFe-Sクラスターである。このFe-Sクラスターの生合成は、SUFマシナリーが担っており、6種類のタンパク質から構成されている。本研究では、マシナリーの心臓部といえるSufBCD複合体に焦点をあてた。この複合体は、SufCのATPase活性に共役してダイナミックな構造変化を起こし、分子内部の必須残基を露出させることで、Fe-Sクラスターを合成すると予想されている。本研究では、構造解析と機能解析の両面から、Fe-Sクラスター合成機構の全容解明を目的とした。将来的には本研究を基盤とした応用技術展開の可能性は計り知れない。 今年度は、SufBCD複合体の結晶学/生化学/遺伝学的解析によって、以下のような成果が得られた。1.SufBCD複合体の良質な結晶調製に成功し、PtおよびHgの異常分散効果を利用した、多重原子同形置換法を用いることで位相を求め、SufBCD複合体の立体構造を決定した。2.微量蛍光分析系では、決定したSufBCD複合体の立体構造に基づいた変異導入と、蛍光ラベル剤を組み合わせることで、SufBCD複合体のATP依存的な構造変化に伴う、必須残基の露出を検出することに成功した。3.遺伝学的な解析として、SufBCD複合体を構成するSufCに関して、大腸菌を用いた相補実験から、ATPase活性に必要な必須残基を同定した。 以上の通り、今年度は、本研究最大の目的であった、ターゲット蛋白質の結晶構造解析に成功することができた。この構造情報と、これまでの生化学データ・遺伝学的なデータによって、Fe-Sクラスター生合成メカニズムに関して、大きく理解を前進させたといえる。また本成果は、本研究分野の更なる発展に大きく貢献することが予想される。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(20 results)