2012 Fiscal Year Annual Research Report
CaMKK-CaMKIカスケードを介した神経細胞移動制御
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12J01373
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀金 慎一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経細胞移動 / CaMKIα / カルシウムイオン / ライブイメージング / Ca^<2+>プローブ |
Research Abstract |
まず背景として、研究代表者らの先行研究によりCaMKK-CaMKIカスケードを介した幼弱錐体細胞移動の制御機構モデルが想定されていた。こうした作業仮説に基づき、本研究は幼弱錐体細胞移動の背景にCa2+依存的制御機構があること示し、一連の分子実体を明らかにすることを目的としている。研究計画に基づき行った、以下2項目の検討について、平成24年度の研究成果を報告する。 1:移動中錐体細胞におけるCa^<2+>動態の評価と内在性リガンドの同定 計画通り、移動中錐体細胞を対象とした、遺伝子コード型Ca^<2+>プローブを用いた脳スライスライブイメージングの実験系確立を達成することができた。具体的な実施内容としては、実験に適した遺伝子コード型Ca^<2+>プローブの検討と選定、そして実験サンプルの撮像に用いる器具や撮像条件の最適化を行った。12時間以上の長期にわたり移動中細胞内のCa^<2+>変動を経時的に可視化し、得られたデータを基に、幼弱錐体細胞の移動と細胞内Ca^<2+>動態の関係を現在定量的に解析している。 2:神経細胞移動を制御する新規Ca2+依存性カスケードの特定 計画通り、CaMKIα conditional KOマウス系統の樹立が完了し、一部計画を前倒しにして、幼弱錐体細胞の移動過程における細胞自律的なCaMKIα機能の解明にも取組み始めた。CaMKIα conditional KOマウスにおいて、幼弱錐体細胞特異意的にCaMKIαをノックアウトし、細胞移動の有無の定量を進めている。この結果を今後、予備的データとして得ていたCaMKIαノックダウンの表現型と比較検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CaMKIαconditional KOマウスを用い、幼弱錐体細胞の移動過程における細胞自律的なCa1MKIα機能の解析を計画年次に先立って開始することができた。得られたデータは本研究の基幹となるものであり、早期に得られたことは計画を進める上で大きな意義がある。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに進捗しているので、当初計画に従い、「移動中錐体細胞を対象とした、遺伝子コード型Ca^<2+>プローブを用いた脳スライスライブイメージングの実験系」を用いた更なるデータ取得とデータの定量的解析を行うことで、幼弱錐体細胞の移動と細胞内Ca^<2+>動態の関係を明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)