2014 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外分光法を用いた雌霊長類の新規発情モニタリング
Project/Area Number |
12J01484
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 こづえ 京都大学, 霊長類研究所, 助教
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オランウータン / 霊長類 / ステロイドホルモン / 近赤外分光法 / 繁殖 / 野生動物 / 保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
近赤外領域における数種の吸収バンドを用いた、尿の近赤外スペクトル測定による雌霊長類の新規発情モニタリング法の開発を目的として研究を行った。昨年度までは飼育下にある雌オランウータンを対象として実験を行ったが、本年度では、マレーシアのDanum Valley Conservation Areaにおいて採取した、野生の雌オランウータンの尿も実験に追加して再現性を確かめた。
野生下でも尿の保存に利用しやすいフィルターペーパー(ガラス繊維ろ紙)上で乾燥させた尿サンプルから、拡散反射法により近赤外スペクトルを得て、発情ホルモン濃度定量のためのモデル解析を行った。昨年度の結果において、吸収通気度が高く、粒子保持能が比較的低いフィルターペーパー(GF/B:Whatman)を用いた際に最も良好な解析結果が得られていたため、本年度ではGF/Bのフィルターペーパーのみを使用して研究を行った。なお、本年度では野生オランウータンの尿および標準品の近赤外スペクトルを測定し、昨年、飼育下オランウータンの尿で構築した発情ホルモン濃度定量モデルの再現性を確かめた。 その結果、昨年度と同様、2113‐2355 nmの波長領域を用いて部分最小二乗回帰分析を行った際に最も良好な結果が得られ、発情ホルモン代謝産物濃度およびクレアチニン濃度に対して、R2>0.68の精度で回帰結果が得られた。また、同様の方法を用いて各標準品の近赤外スペクトルについて回帰分析を行ったところ、R2>0.70の精度で尿と同等の回帰結果が得られた。尿および標準品の回帰係数を比較したところ、類似の波長において共通の変化が得られた。以上により、本研究で構築した方法を用いれば、野生個体の発情状態の定量も容易に実施できる可能性が示された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)