2012 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚科学のためのフリーラジカルEPR分子イメージング法の構築
Project/Area Number |
12J01486
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
榎本 彩乃 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電子常磁性共鳴イメージング法 / サーフェイスコイルアレイ / in vivoイメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体の皮膚において広範囲なフリーラジカル分布を可視化可能にする電子常磁性共鳴(EPR)イメージング法を新規に構築することである。そこで本年度は、マウス背部を覆うことが可能な連続波(CW)EPRイメージング用4チャンネル・サーフェイスコイル・アレイ共振器を開発した。開発したサーフェイスコイルアレイは、4つの独立したサーフェイスコイル共振器から構成される。その際、直近のコイル間に生じる相互誘導現象を抑制する必要があった。そのため、4つのサーフェイスコイル共振器を逐次的に駆動し、駆動していない共振器の共振周波数を大きく移動させることにより、駆動している共振器に与える相互誘導の影響を抑制した。また、自動で共振器を駆動するためのスイッチ切替回路も作製した。作製したサーフェイスコイルアレイ共振器及びスイッチ切替回路を用いて、フリーラジカル分子をマウスに投与し、マウス背部に拡散したフリーラジカル分子の可視化に成功した。 また、パルスEPRイメージングにおいて、4チャンネル・サーフェイスコイル・アレイを作製し、ファントムおよびマウスで実験した結果を論文で報告した。 これらの結果より、本研究で作製したサーフェイスコイルアレイ共振器がin vivoでの測定にも適用可能であることが示された。本研究では疾患モデルマウスの皮膚フリーラジカル分布イメージングを目的としているため、本年度の成果である生体に適用可能なサーフェイスコイルアレイの開発は、本研究を遂行する上で重要な前進である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した本年度の実施計画は、マウスに対応した、広範囲のイメージングが可能なサーフェイスコイルアレイ共振器の開発であった。本年度では、サーフェイスコイルアレイを作製し、また生体に対しても適用可能であることを示せたため、本年度の計画をほぼ達成できたといえる。よって、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のサーフェイスコイルアレイ共振器による逐次的なイメージング方法であるため、1つのサーフェイスコイル共振器と比べると取得時間が4倍となってしまう。そのため同時にイメージングを行う新規な手法を検討している。
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Research Products
(3 results)