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2012 Fiscal Year Annual Research Report

1細胞発光イメージングを用いた植物個体内における概日時計ネットワークの解析

Research Project

Project/Area Number 12J01530
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

村中 智明  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywords概日リズム / 発光イメージング / ウキクサ / 細胞間相互作用
Research Abstract

単一細胞の概日リズムを解析するにあたり、まず、我々が開発した一細胞発光イメージング系の特性を詳細に調べ、以下の結果を得た。(1)細胞の発光量は対数正規様分布を示した。(2)導入するプラスミド量を増やすと導入細胞数と細胞発光量が増加した。(3)レポータは、約8割が葉肉細胞に導入され、約2割が表皮細胞に導入された。(4)150μm以上離れた細胞の発光は分離して測定できた。現在、これらの結果をまとめ、論文として投稿準備中である。
本研究で用いるウキクサは所属研究室において種ごとに異なる培地で培養されていた。ウキクサの概日リズムの種間比較を体系的に行うためにすべてのウキクサを培養できる培地条件を探索した。探索の過程で、イボウキクサの個体レベルの概日リズムは培地条件によって、周期約24時間の振幅の安定したリズムと、周期約22時間の減衰するリズムを示すことが明らかとなった。個体レベルでの振幅が安定するということは、個体内で細胞が示すリズムの同期率が培地条件により変化している可能性があり、本研究の目的の一つである細胞間相互作用と関連する現象である可能性がある。
そこで、種間比較の前に培地条件によるイボウキクサの概日リズムの性質の違いについて細胞レベルでの測定を行い、以下の結果を得た。そこで、種間比較の前に培地条件によるイボウキクサの概日リズムの性質の違いについて細胞レベルでの測定を行い、以下の結果を得た。(1)2つの培地間で細胞リズムの同期率の変化に差が見られた。2つの培地間で細胞リズムの周期・周期ゆらぎがともに変化していた。(3)どちらの培地でも細胞リズムに明瞭な空間パターンは見られなかった。現在、測定結果を説明するモデルの構築を進めており、その過程で細胞時計の性質・相互作用について多くの知見が得られると考えている。また、培地条件の検討を進めた結果、培地中のリン酸カリウム塩と硝酸カリウム塩の量を変えるだけでリズム性質の変化が再現できることが明らかとなった。今後は、リズムの性質変化の分子生物学的なメカニズムについて解析を進めるとともに、イボウキクサ以外のウキクサが上記二種類の培地で示す概日リズムを測定し、この現象が種間で保存されているのか解析を進める予定である。
また、イボウキクサを高解像度の遅延蛍光リズムの撮影を行い、以下の結果を得た。(1)発光リズムが維持された培地では、遅延蛍光リズムも確認できた。(2)遅延蛍光リズムには空間パターンが見られた。この結果は研究計画の目標である、遅延蛍光リズムと生物発光リズムの同時測定系の開発において重要な進展である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前期では、主に単一細胞発光測定システムの特性を明らかにするための実験に取り組み、十分量の知見を得た。現在、この結果を投稿論文として準備中である。また、イボウキクサが示す概日リズムの性質が培地条件によって大きく異なることを見出した。後期では、培地条件による概日リズムの性質の違いを細胞レベルの測定を行い解析を行った。この解析により、細胞振動子の性質が培地条件によって異なることを明らかにした。さらに、解析の過程で、高等植物の細胞概日振動子の性質を定量化する手法を発展させた。今後は開発した解析手法を用いて、ウキクサ種間や培養条件間での細胞概日振動子の性質の体系的な比較解析を進める予定である。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究により培地の組成がイボウキクサの連続明条件下での概日リズムの性質に影響をあたえることを明らかにした。今後はイボウキクサ以外のウキクサでも培地の組成が概日リズムの性質に影響をあたえるか検証し、リズム性質の栄養依存性が種間で保存されているか解析を進める。
現在の測定法では測定期間中に培地が大きく減少するため、実験を通して外部環境が変化している可能性がある。現在灌流型の測定容器を設計中であり、この測定容器を用いて長期間の発光イメージングを行い細胞時計の性質を詳細に解析し、細胞間相互作用の検証を行う予定である。この還流測定容器にはイメージングフィルタ交換装置、光ファイバを用いた局所光条件操作装置を取り付けられるように開発を進めており、これらの装置の完成後には本研究が大きく進展すると考えている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 一細胞発光イメージングによる細胞概日振動子の性質推定2013

    • Author(s)
      村中智明
    • Organizer
      第54回日本植物生理学会年会
    • Place of Presentation
      岡山大学(岡山県)
    • Year and Date
      2013-03-23
  • [Presentation] ウキクサ植物を用いた単一細胞発光イメージングによる細胞レベルでの概日リズム2012

    • Author(s)
      村中智明
    • Organizer
      第19回日本時間生物学会学術大会
    • Place of Presentation
      北海道大学(北海道)
    • Year and Date
      2012-09-15

URL: 

Published: 2014-07-16  

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