2013 Fiscal Year Annual Research Report
せん断凝集の影響下における粘土懸濁液の非ニュートン流動の解析
Project/Area Number |
12J01583
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻本 陽子 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | モンモリロナイト / 非ニュートン性 / せん断場 |
Research Abstract |
本研究は、粘土懸濁液の非ニュートン流動のメカニズムを解明を目的とし実施した。前年度と今年度のはじめでは、モンモリロナイト粒子間に働く微弱な長距離性相互作用を検討するため、分散状態における非ニュートン流動に着目し、せん断力や静電気力、拡散力のバランスで決まる相互作用によって特異な流動特性が引き起こされることを明らかにした。さらに今年度は、凝集領域で見られる顕著な粘度増加とせん断凝集による凝集体形成との関係を明らかにすることを目指した。そのために、同心円筒粘度計によるレオロジー測定、および凝集後の凝集体の粒径測定を行った。pHやイオン強度、せん断速度をパラメーターとしてレオロジー測定を行ったところ、せん断速度と最大粘度を両対数ブラフにプロットすると、溶液の科学条件によらず、両者は比例関係を示した。つまり、せん断速度の増加に伴い粘度が急激に減少した。これは高せん断場において、凝集体が破壊されたことで粘度が下がったと考えられる。また、この傾向がpHやイオン強度に依存しないことから、急速凝集条件である高イオン強度下では、粘土懸濁液のマクロな物性に対して、溶液化学性よりも外力の影響が支配的であるといえる。外力(せん断応力)によって凝集体が破壊されていることを確認するために、レオロジー測定後のサンプルの粒度分布を調べた。モンモリロナイトの単粒子の流体力学的直径が約数百nmなのに対して、その凝集体は数μmにまで成長しており、せん断速度が高くなるにつれて粒径分布が低い方へシフトする傾向が確認された。また、フロック強度を考察するために、得られた流動曲線に基づき、降伏値を算出したところ、およそ0.27Paであった。これは藤井ら(1999)が提唱した式に基づき算出した降伏値の値よりも高い。したがって、せん断凝集によって密で、強度の高い凝集体が形成され、結果的に凝集条件における粘土懸濁液のレオロジー特性に非ニュートン性をもたらしたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)