2014 Fiscal Year Annual Research Report
すばる望遠鏡を用いた初期宇宙における構造形成と銀河進化の関連性の解明
Project/Area Number |
12J01607
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
利川 潤 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 原始銀河団 / 遠方銀河 / 銀河進化 / 大規模構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は銀河進化、大規模構造の形成のそれぞれの観点から原始銀河団を研究することで、初期宇宙から現在の宇宙にかけて銀河団がどのように形成されてきたのかを理解することである。特に遠方宇宙の原始銀河団を研究することで、銀河団形成の初期段階を明らかにすることを目指している。平成26年度は、これまですばる深宇宙探査領域において行なってきた原始銀河団探査を、さらに広視野のCFHT Legacy Survey Deep Fieldsへと拡大させた。またこれまでは赤方偏移6の原始銀河団探査しか行なってこなかったが、CFHTLS Deep Fieldsでは赤方偏移3から6までの広い赤方偏移幅に渡って原始銀河団探査を行うことで、銀河団形成や高密度環境における銀河進化を調べることができる。この領域から計21個の原始銀河団候補を選び出し、赤方偏移3から6にわたって2個ずつ計8個の原始銀河団候補に対して分光追観測を行い、3つの原始銀河団を新たに発見した。1個は原始銀河団ではなかったが、残りの4個は赤方偏移5から6と非常に遠方の候補領域であり、結論を得るにはさらに観測が必要である。赤方偏移3.67の原始銀河団については多数の原始銀河団銀河が分光同定されたことから内部構造や銀河の性質など詳細な解析を行った。その結果、コア構造を持つような3次元分布をしており、銀河の性質についても同時代のフィールド銀河と異なっていた。銀河の性質の違いを生じさせる原因を解明するためにはさらなる観測や解析が必要になるが、原始銀河団の構造の大きな変化とともに環境効果が働き始め、銀河の性質の違いが見えていると考えられる。 これらの結果は1件の国内研究会、2件の国際研究会において報告した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)