2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J01817
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽深 昭 北海道大学, 大学院・工学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 重金属 / 蛍光 / 簡易分析 / 環境サンプル |
Research Abstract |
本研究の目的は,重金属イオンと特異的に結合し,蛍光スペクトルが変化する蛍光分子を複数合成する.また,それらを基板固定したアレイセンサーを開発することである.本年度は新規蛍光分子を3種類合成することに成功した.また,これらの新規蛍光分子の特性(イオン選択性,蛍光強度,蛍光波長)を明らかにした. これまでに開発した蛍光分子のうちの一つを用い,路面排水中に含まれる亜鉛イオンの定量を試みた.同時に,公定法との比較のためICP-AESを用いて金属成分を定量した結果,蛍光分子による定量値とICP-AESによる測定結果と良い相関がみられた.すなわち,開発した蛍光分子により実環境サンプル中の金属イオンを定量可能であることが明らかとなった. 2012年10月末から約5か月間,米国へ渡航し,イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校,Lu研究室にて金ナノ粒子と機能性DNAを用いたナノマテリアルの開発に関する研究を行った.本研究をとおし,重金属イオンを測定可能な機能性ナノマテリアルの合成方法を習得した.本技術は蛍光分子では検出が難しい鉛および水銀を検出可能であるため,アレイセンサー開発という最終目的に有用であると考える.また,Lu研究室では光検出型化学センサーの開発に必要な有機分子の基板への固定化技術も習得した. 2012年9月には国際学会であるIWA World Water Congress & Exhibitionにて口頭発表を行った.また,2013年1月にはBulletin of the Chemical Society of Japanに論文が掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で,合成した蛍光色素分子を基板上に固定化できておらず,光検出型化学センサーの開発・性能試験に至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は合成した蛍光分子の基板上への固定化を重点的に行う。PVC膜またはガラス基板上に分子を固定し、光検出型化学センサーを開発する。センサーの開発後、センサーの繰り返し耐久性、阻害物質(浮遊物質、フミン質、有機酸、pH)の影響を明らかにする。
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Research Products
(4 results)