Research Abstract |
本研究の目的は, 転倒リスクの低い地域在住高齢者におけるウォーキングの転倒予効果を明らかにし, 実践率の高いウォーキングによる転倒予防のポピュレーションアプローチの可能性を探ることである. 研究課題1の, ウォーキングと転倒の関連について転倒リスク別に検討する横断研究は, すでに学術誌に掲載されている(2012年に日本体力医学会学会賞を受賞). 研究課題2では, ウォーキングが転倒発生に与える影響を, 転倒リスク別に検討する縦断研究を遂行した自治体が主催する高齢者の体力測定会におけるデータ収集を2008年から2013年までに535名の縦断データ(総追跡916人・年)を収集することができた. 本結果は原著論文として投稿し, 国際誌における査読を受けている. 研究課題3では, 低リスク地域在住高齢者におけるウォーキングの転倒予防効果を検証する介入研究を遂行した参加者は65~79歳の地域在住高齢者で, 転倒リスク因子が0~2つまでの者とした. 対象者はウォーキング群とバランス群に分かれて, 3ヵ月間, 週1回, 1回120分の運動教室に参加した. ウオーキング群には自宅でのウォーキングを1回30分, 週5日実践することを推奨し, バランス群には自宅でのバランス運動を週5回実践することを推奨した教室前後の測定により, 筋力, バランス能力, 歩行能力, 活動量, 転倒発生状況およびつまずき頻度を調査し, 全体的な改善の傾向を確認し, 第68回日本体力医学会大会で発表した. この結果は原著論文として投稿し, 国際誌における査読を受けている。さらに運動教室修了から1年間, 毎月のフォローアップ調査をおこない, 転倒の追跡調査を現在おこなっている(2014年7月終了予定).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題2の縦断研究においては, 535名の縦断データ(総追跡916人・年)を収集し, 原著論文を投稿することができた. 課題3-1の介入研究においては, 90名の無作為化比較試験を終えて3ヵ月間の介入前後の比較について, 原著論文を投稿することができた. 課題3-2の追跡調査については, 2014年7月に国際学会で発表することが決まった.
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