2013 Fiscal Year Annual Research Report
重力相互作用によるカイパーベルトバイナリーおよび不規則衛星の捕獲過程の解明
Project/Area Number |
12J01826
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
末次 竜 神戸大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 惑星 / 衛星 / 微惑星 / 天体力学 |
Research Abstract |
巨大惑星周りにある衛星は規則衛星と不規則衛星に分類できる。不規則衛星の軌道離心率や軌道傾斜角は大きく、逆行で公転しているものも多くあるため、捕獲された微惑星が起源だと考えられている。捕獲モデルの一つに周惑星円盤からのガス抵抗によって微惑星を捕獲するというものがある。従来、ガスによる捕獲モデルでは、捕獲された微惑星に捕獲後もガス抵抗が作用するので、すぐに惑皇に落下すると考えられてきた。しかし規則衛星形成の後期セは、ガスが散逸し周惑星円盤のガス密度が低くなっているため、捕獲された微惑星は従来よりも円盤内で長時間の間、生き残りうる可能性がある。これまで、ガス密度が低い散逸直前の周惑星円盤からの弱いガス抵抗による微惑星捕獲過程や軌道進化はこれまで詳しく調べられてこなかった。そこで太陽、周惑星円盤をもつ惑星、微惑星の三体問題軌道計算を行い、捕獲過程や捕獲頻度を調べた。主な計算結果を以下にまとめた。 1、ガス抵抗が弱い場合には、微惑星はまず惑星に一時的に捕獲され惑星の周りを公転する段階があることがわかった。一時捕獲された微惑星は惑星周りのガス密度が高い領域を通過せず・惑星周りを公転している間に弱いガス抵抗を断続的に受けることでエネルギーをゆっくりと失い捕獲されることがわかった。 2、1のような微惑星の捕獲は、微惑星が特定の離心率をもった場合に起こることが明らかになった。また、このような捕獲は順行でも逆行でも起こることがわかった。 3、周惑星円盤の散逸後の捕獲された微惑星の軌道要素も調べ、それらのもつ軌道長半径は比較的小さいことが明らかになった。そのためガスによる捕獲モデルは軌道長半径の小さい不規則衛星の捕獲に寄与した可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(9 results)